LIVE REPORT
2020/11/15 ヤマカワタカヒロ 〜 Thank you Nap! See you Nap! 〜 Final
everlastingという単語があります。
おそらく、ever + last + ingで「永遠に続いている」という状態を指すのでしょう。
ん?でも、last は「最後の」という意味が普通なのに? 続いている?
日吉Napの営業最終日、ヤマカワタカヒロは、この場所での最後のステージに立ちました。
この「ハコ」への感謝、それはもちろん空間だけに感謝するのではなく、この場所・この時間がクロスするのに関わった繋がりと運と、それを作って支えて来てくれたタケムラさんへの「ありがとう」と。
【セットリスト】
1.Home
2.君が好き3.それでも僕らは
4.叶える
5.おいで、ここに。
6.アンサーソング
7.ストーリー
この場所からNapがなくなる、そう聞いてからステージに立つのは3回目。
Napがなかったら、集うお客さんや、音源や配信がなかったら、唯一ここにライブを見に来てくれたヤマカワの両親がいなかったら、生まれえなかった曲の数々。
セトリにはそんな思いが込められていました。
おわりとはじまり。
ちゃんと終わらせることができた人だけが、ちゃんと始めることができる、なんてことを言います。
最後に選んだ一曲は「ストーリー」
自分だけのstoryでは、誰も聴いてくれない「ひとり弾き語り」ですが、誰かが見てくれて支えてくれてはじめて、his story = historyとして語られて、紡がれていくのでしょう。
12月に、新たに白楽でオープンするNap。
ヤマカワはじめ、どんなアーティストが、そのハコでHistoryを彩ってくれるのでしょうか。
あたたかい、いいライブでした。
lastを英英辞典で調べてみると、continue in time(一定期間続く)とあります。
どうやら、いずれ終わりを向かえることを前提として続く/続けることを指しているようです。
じゃあ、やっぱりeverでlastingってどういうことなんでしょうか?
Open up your eyes, then you realise.
Here I stand with my everlasting love.
(“Everlasting love” originally by Robert Knight)
客席から目を見開いて、きちんと見てたら、いつだってステージにはeverlasting loveとともに、アーティストは立っているのです。
客席からも、ありがとう。
日吉Nap。
Report by おじゃる
2020/10/24 ヤマカワタカヒロ 〜 Thank you Nap! See you Nap! 〜 Day2
それは、9月9日の夕刻にSNSを通じて突然発表された。
https://twitter.com/hiyoshinap/status/1303624370992984064
日吉Nap「新たな場所での再スタート」は、19年あったこの場所からの撤退を意味していた。
当たり前に営まれていたことが当たり前ではなくなった2020年。
都会の喧騒には人通りが戻ってきたとはいいながら、足早に通り過ぎる人たちの、その多くは、しかしいつも行っていた場所にはなかなか立ち寄らなくなってしまったようだ。
カラオケ、ゲームセンター、パチンコ、そしてライブハウス。
自粛期間中、家の中で、それらを代替して楽しむ手段が見つかったんだ…とも聞いた。
それが「ニューノーマル」だとも。
日吉Napでの、ヤマカワタカヒロのブッキングライブ。
10月3日に続けて今回が2回め。
この地・この箱で歌うのは、久しぶりだ。
舞台と客席との間に、薄いビニールシート、そして配信用のカメラとスイッチングのパソコン。
確かに、ニューノーマルなのかもしれない。
今回2回めのステージでは、ヤマカワは2人で歌うことに決めた。
長年にわたっての相棒フジモトとのデュオ。
ギター2本で、ふたりで客席に向けて歌うのは、実に16年ぶりとのこと。
アコースティックギターだけでパフォーマンスできるライブハウスを探して、ふたりがNapを見つけたのは2002年。
ぎりぎり今世紀だけれど、高校3年生が生まれた年…ていうと、やっぱり18年前はオールドノーマルだ。
【セットリスト】
1. スターマイン
2. 追い風、向かい風
3. 雨音
4. 返事はいらない5. 水彩画
6. 想
7. 夜空の小さな物語
セットリストにこめた思いは、ヤマカワの言葉に耳を傾けよう。
16年ぶりのステージ 【095/200】|ヤマカワタカヒロ
https://note.com/takahirock16/n/n5e8ddd1b92b0
客席から見たヤマカワの姿、それはいつになく楽しそうだった。
ひとりでステージに立った9月、そしてその前の自宅からの配信ライブ。
それはコロナ禍前とは明らかに意味合いがかわっているようにも感じた。
自粛期間、終わりのないよう閉塞感が支配する雰囲気の中で、どうしても個人の肩には、自省とスキルアップとチャレンジの日々がのしかかる。
息苦しさと生き苦しさと、いやでも向き合わないといけない日々。
ひとりがふたりになること。
そこに関係性が生まれ、会話が生まれ、時にわずらわしいかもしれない調整が入る。
声をあわせること。
それは声の大きさをあわせることであり、リズムをあわせることであり、ふたりの声色の違いを伝えることであり。
DUOってなんだろうね?
パートナーってなんだろうね?
ひとり見知らぬ道を歩く 君の力になれるのなら
そんなことを想いながら 僕はここでうたいつづけるよ
この地を旅立つ前に 君が望むものは何?
拙い唄しかうたえないけど 君に贈ろう
(「水彩画」より)
ニューノーマル…ノーマルって一体なんだよ。
自分にとってのノーマルは、必ずしも他人にとってのノーマルとは限らない。
昼と夜、夜と朝とを隔てる狭間に一瞬あらわれる茜色の空のように、二分法では語られない世界を照らそう。
息苦しさと生き苦しさを感じる人が、できるだけ少なくなるため、ステージから声をあげよう、声をあわせよう。
またすぐに、この場所へ、この人とこの音楽に会いに行こう。
もう冬はそこまで来ている。日吉Napがこのハコとして全うするのは、11月15日だ。
あなたは、どんな音楽が好きですか? どんな人がタイプですか?
Report by おじゃる
「音楽を止めない」と、ヤマカワタカヒロは言った
2020/6/27 ヤマカワタカヒロ「LIVE YELL 2020」〜Meet Asuma & We Love Loft!!!〜
【俺達に明日がないってこと はじめからそんなのわかってたよ】*1
2020年。
6月最後の週末。一年の半分もう折り返し、なんて実感を抱く人は、今年に関しては殆どいないんじゃないか。
新型コロナウイルスが、日常のすべてを一転&暗転させてしまってから、かれこれ4ヶ月にはなろうか。
2019年。
一年の終わりが近づいてきた11月のワンマンは、ヤマカワのライブにおいて一つの「型」が完成されたライブだった。
暮れも押し迫ったバースデーライブでは、2020年の自身の誕生日までの道筋をステージから笑顔で語りかけていた。
あれから半年。
2020年、ヤマカワタカヒロは、3月に大事なマイルストーンとなるツーマンライブを予定していた。
だが、残念ながらそれは「日程を決められない延期」を余儀なくされた。
沈黙が続いた長すぎる春。 いつしか蒸し暑さが肌にこびりつく6月に入っても、状況は急には好転しない。 月日は過ぎれど、人も時間も止まったままのようだ。
【脈を打っている 鼓動も知っている】*2
6月半ば、東京都の自粛要請解除を受ける形で、都内のライブハウスは営業を再開した。
だが、まだライブエンタテインメント、とりわけ室内でのパフォーマンスに対する世間の目は、賛否・疑念がつきまとう状況は続く。
ライブハウスからネット配信でライブを決行する、それすらも、ここぞとばかりに「不要不急」なるレッテル・タグ付けとともに、外野からあれやこれや言われる懸念は拭い去れない。
そんな中、じゃあ観客を入れてライブを行おうということは、ある種危険な賭けであって、なんらかの社会的メッセージを含むことを目的にして、それで始めて割りに合う、そんな話だった。
でも。
そんな喧騒から少しだけ日常に目を移したとき。生活を彩っている様々な風景は、着実に色を取り戻してきたようにも感じられる。冬場にじっと夏を待っていた紫陽花が、自分の季節が来たとほのかに主張するかのように。
耳をすましてみよう。月日は、ただその数字を積み上げただけではない。
路傍の草花の色が少しずつ変わっていくことに目を落とすことができたとき、時間は確実に経過したんだということを思い出させてくれた。
彩り。
無観客ながらプロ野球が開幕し、オンラインでの大規模なフェスやライブを通じて音楽もエンタメも死んでいないことがはっきり示されて、さあ、今度はライブハウスやコンサートホールの番だ!
【脈を打っている 答えを知っている】*2
ヤマカワタカヒロは、そんな覚悟を持って、久しぶりにひとりでステージに帰ってきた。
一年前の7月、「LIVE YELL」としてエールを送りつづけるんだと約束した日に。
客席は限定10席、観客はマスク着用、30分に一度、換気のためにブレイクを入れるという感染拡大対策。
日常で見慣れた風景とはいえ、下北沢LOFTの中に、この「新しい日常」が放り込まれると、正直やはり違和感は禁じ得ない。
オープニング、ヤマカワのライブとしては珍しく、暗転もなく、R.E.Mが場内に流れることもなく、ゆるりと始まった。
今日ステージに立つメンバーや、客席と会話をかわしながら「そろそろ始めますか」と。
音楽は日常の延長に。長い休符を経ても、ライブは生活の中にある。
【時を待っている 夏を知っている】*2
オープニングナンバーは「Okaeri to my LIVE」。
昨年、"ライブに来てくれたお客さんが、日常からライブという非日常にスイッチを切り替えるきっかけになれば”と作った曲だ。
でも今回は違う。曇った非日常からライブのある日常に帰ってきたんだ。「ただいま」
「Michelle」から、早くもその空間にいる全15人の手拍子が踊る。
「慰めトレッキング」「12月の紫陽花」のリリースしたミニアルバムからの2曲。
40年以上生きてきて”今””ここで”書く曲は、”今””ここで”だから演奏されるべき曲。
もう夏だ。
【宿る宿る 解けない命題】*3
MCに呼び寄せられて、今日もステージ上にフジマコの2人があがる。
「ずいぶん前の曲だけれど」という紹介とともに、ゆっくりとしっとりと「雨音」
続いて、リリースしたばかりのミニアルバムから「鈍色(にびいろ)」
梅雨空の下、でもやっぱり時間はゆっくりとしか動かない。
6月、灰色の空の下、灰色のアスファルトの上に立って、空知らぬ雨に顔を濡らす。
【名をのこさなくてもいい。「ぼうず、いい手をもて」】*4
10分間、換気のためのブレイクがあり、続いて高校生のAsumaが、はじめてライブハウスの舞台に立った。
今回のライブ、様々なリスクがある中、ヤマカワが開催に踏み切ったのは「LIVE YELL」だったからという理由が大きかった。
彼の初めての舞台を、大人だけの事情では延ばしたくはなかった。
あまり見慣れない左利き用のギターを持ち、緊張の面持ちで舞台真ん中に立つAsumaは、まだ十代半ば。
芝居で舞台に立つことはあるとはいうけれど、ここは音楽で表現するライブハウス、自分の間合い,息遣いですべてが決まるステージ。やはりいつもとは勝手が違うのかもしれない。
一瞬戸惑った表情で、伴奏のために後ろに控えたヤマカワの方を振り返って「(始めて)いいですか?」と聞く、その表情は、あたかも生徒が先生に何かを尋ねるかのようだった。
まず演奏したのは秦基博のカバー曲「鱗」
去年の「LIVE YELL」で音楽っていいな、ギター弾けると表現の幅が広がるし、なによりもかっこいいなと感じたという。
やりたかった「鱗」は9ヶ月間コンスタントに練習してきた。コロナ禍で家からオンラインでのレッスンになっても、毎日弾き続けた、来るべき夏へ向けて。
そして、今日、夏の風はそこに吹いていた。
続いて、三阪咲のカバー曲「繋げ!」
昨冬、高校サッカー選手権の応援ソングとして聴いた曲。
画面越し、身近な先輩がプレイするのを観るのに心奪われた1月。
三阪咲は、中学生から路上ライブに立っていたという。
同い年のAsumaが発した「繋げ!」の一言は、下北沢のステージで、15人が聴くことで、また音楽が背負う意味合いが拡がっていく。
最後に、ヤマカワとの合作オリジナル曲「カンパニュラ」
もともとは外来種の観葉植物のカンパニュラ。日本語では「風鈴草」とも呼ばれるこの花の花言葉は「感謝・誠実な愛・思いを告げる」とのことだ。「ありがとう」を誰にどうやって伝えるか。この歌詞を書くのには、ほとんど時間を要しなかったという。
Asumaが生み出す歌詞とメロディの断片たちをヤマカワが整えることで一つの楽曲に仕立て上げ、今日、客席最前列、一番近い場所で見ている人に真っ先に届けたいこの曲。
大人になればなるほど、過ぎ去った時間の遠さに、ただただ若者がキラキラと希望にかがやく存在に見えるもの。
たとえギターを弾けたとしても 埋もれてしまうこの世界で 輝けるように 揺さぶれるように 生きていけるかなぁ
明日が見えないのは、大人だって同じ。ただ、そこに時を進めようという意思があるかどうかだけ。
歌ってみせるさ その日まで もうちょっと待っててくれよ
カンパニュラは、ふわふわとした小さな釣り鐘型の花をいくつもつける。
この夜、15人の前で歌いきったことが、どんな大きさの花となって、彼の人生をどう彩っていくのだろう?
ヤマカワが改めてマイクを持って話す。
「僕だけが見たAsumaの後ろ姿は輝いていた」と。
派手なスポットライトはなくても、満員の客席を背負わなくても、16歳の少年が背中で伝えられるものはある。
【わたしも魔法の手を持てただろうか】*4
時を進めようという意思。ヤマカワはライブではじめてピアノ弾き語りを披露した。
R.E.M.のカバー「Night swimming」は、ずっと「ピアノで弾けたらかっこいいなあ」と思っていた曲。Asumaと同じ。いつだって音楽の原点は、ちょっとした衝動にある。
そして、「応援歌」。ストレートなタイトルにストレートな歌詞は、どこの誰へ向けたものだろう?
【破れ 蹴飛ばして 壊せ 物語を】*5
再度の10分間ブレイクから、ライブは終盤へ。
ふたたびフジマコとの編成で、本編最後の2曲は「走れ」と「ひとつだけ」 もしかすると、コロナ禍に見舞われなかったとしたら、この2曲は、もう少し人数の多い編成で演奏されていたのかもしれない。 新型コロナウイルスで失ったもの、もしかしたら取り戻せないものは、ライブハウスのそこかしこに爪痕を残している気はした。
「Withコロナ」という。「新しい生活様式」という。
日常の営みは変われども、時間は平等に流れていく、それは残酷でもあり、記憶の中にいくつかのきらびやかな過去を貯める営みでもあり。
ここはライブハウスだ。音楽が続く限り、物語は続いていく。
何度でも何度でも立ち上がれ、歌え、声を上げ叫べ。
マスク越しの「アンコール」の呼びかけに登場したヤマカワ。
ミニアルバムのタイトル曲「Compass」は、フジマコのコーラスとともに、灰色の空を塗り替えていった気がした。
ラストの曲は「スターマイン」 ほどなく梅雨が明け、夜空に舞う大輪の花。 もしかしたら、今年は大輪を見られないかもしれない。 でも、夏はやってくる。今年も来年も再来年も。
「LIVE YELL」以降の活動は、まだ未定だという。
でも、最後の挨拶で、「音楽を止めない」と、ヤマカワタカヒロは言った。
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*1 「エレクトリック・サーカス」Thee michelle gun elephant (Lyrics by チバユウスケ)
*2 「12月の紫陽花」ヤマカワタカヒロ (Lyrics by ヤマカワタカヒロ)
*3 「鈍色(にびいろ)」ヤマカワタカヒロ (Lyrics by ヤマカワタカヒロ)
*4 「ルリユールおじさん」いせひでこ (Words by いせひでこ)
*5 「キラキラ」ukka[ex.桜エビ~ず] (Lyrics by タケダナオキ)
Report by おじゃる
ヤマカワタカヒロ the LIVE 〜Sing and Live〜 vol.4 @下北沢LOFT
【雨天決行】
【2019年の3部作】
【2部構成】
【1人でマイクの前に立つこと】
【0秒ブレス-ライブがはじまった】
(第1部)ヤマカワタカヒロ弾き語り
1. 歓喜
2. Home
3. いないいないもう
4. 記憶
5. 忘れないこと(新曲)
6. 頼らない
7. ストーリー
【死生観】
皆様方におかれましては、それぞれの「よく生きる」を実践していただきつつ、やまちゃんの「よく生きる」もご支援いただけましたら、きっと皆様の「よく生きる」も結果的に促進されることと思いますので、要は、LIVEに来てね。
(2017年11月30日 FaceBookより)
【そしてバンドとともに】
(第2部)ヤマカワタカヒロ with 野音ズ
8. 東京タワー
9. Compass
10. 月影にきみの横顔
11. Every
12. アシタバ
13. それでも僕らは
14. Michelle
15. アンサーソング
(encore)ヤマカワタカヒロ with 野音ズ
16.叶える
17.夜空の小さな物語
2019/07/13
ヤマカワタカヒロ LIVE YELL vol.1
Meet the ACHA Project @下北沢LOFT
【たどり着いたらいつも雨降り】
大事なライブのときに限って「雨」。
春先からずっとだ、ライブに出かけようとするたびに「またか」と思わされるのは。
だらだらと続く長梅雨は、7月の声を聞いてもまだ一向に終わろうという気配もなく、この日の下北沢も、足元のアスファルトは黒く湿っていた。
【LIVE YELL】
元号が令和に変わり、ヤマカワタカヒロが打ち出したライブ活動の新機軸「LIVE YELL」。
ヤマカワが応援している人をゲストに招き、"歌や音楽、そして「表現すること」を通じて、支援の輪が広がっていくこと"を願い、ゲストを招いて行うコンセプトライブ、とのことだ。
その記念すべき第1回ゲストとして、山本昌子さん(ACHAプロジェクト代表)に立ってもらうことになった、と発表されたのは、つい2ヶ月前。令和の祝福ムード真っ盛りの5月頭のことだった。
https://note.mu/takahirock16/n/n7f20ca40f394
ゲスト? コンセプトライブ?
事前に発表されていたのは、山本昌子さんがステージの上で、今回のライブのために贈られたオリジナル曲を披露するということだけ。もちろん、彼女はプロのミュージシャン・ボーカリストというわけではない。
果たして、どういうステージになるんだろうか? 彼女の活動を支援する多くのサポーターも早くからライブハウスに駆けつけていた。中にはライブハウスに来るのが初めて、ライブそのものが初めてという人たちもちらほら。
あるいは直前にACHAプロジェクトの取組がNHKの番組で取り上げられたということもあるのだろう、取材のカメラが入り、開演前の様子を撮影している。
そんな、いつもとは違う雰囲気で、LIVE YELLは定刻から10分遅れで開演を迎えた。
【応援の乱反射】
1. 想
2. 君が好き
3. それでも僕らは
4. ストーリー
5. 東京タワー
6. 記憶
7. 追憶、あるいは封じ込まれてしまった心について
場内に所狭しと並べられた椅子の数は50あまり。ヤマカワのライブでは、これまでになかった数だ。
人が集まるところに熱気は溢れ、音楽が流れるところビートが熱波となって還流する。
3/30のワンマン後「ライブを作るのは、ステージに立っているひとりだけではないんだ」と実感したというヤマカワ、ステージ上の仲間、野音ズの分厚いサウンドに身を委ねて、最初から飛ばしていく。そして、それに応えるように思い思いに身を任せる観客たち。
声を出してステージから何かを伝える側、ステージへ向かって応援を送る側、その乱反射が「ライブ」の醍醐味となって、ステージから客席から溢れ出てくる。
今回のライブに先がけて、ヤマカワは観客に思いを伝えるために、動画を撮っていた。
いろんな観客がいるからこそ、いろんな反応があって、そしていろんな楽器が幾重にも音を奏でるからこそ、曲がいろんな表情を見せる。
これは、ヤマカワタカヒロのライブであり、そして同時にヤマカワタカヒロのライブではなかった。「下北沢LOFT、2019年7月13日夜」という一期一会の瞬間が繰り広げられているということなのかもしれない。
【結節点】
8. "don’t cry any more" played with MACHACO (Originally sung by miwa)
9. "ALIVE" played with MACHACO
「皆さんお待ちかねの」というヤマカワの紹介とともに、山本昌子さんが、シンガー名 / MACHACOとして壇上に上がった。敢えて本人が「普段は着ない」という赤いワンピース姿・ハイヒールで、静かに力強く語り出す。
5年前の自分、10年前の自分、そして今壇上に立って歌を歌おうとしている自分。確かに、自分を否定することしか過去には選択肢がなかったかもしれない。どんなに他人から「生きていることが素晴らしい」と言われても、目の前の現実から、そのキラキラした世界は地続きのものだとは到底思えなかった。
MACHACOの一連の語りは一編の詩だった。
そんな静かにはじまったイントロに続く一曲目の歌唱は「don’t cry any more」、2010年のmiwaのメジャーデビュー曲。
MACHACOは、ちっとも自分には微笑んでくれない現実を、この歌を聴くことで何とか乗り切っていたという。それから数年の時を経て、目の前の現実は、それでも少しずつ微笑みを取り返しながら、かつてmiwaが立ったのと同じステージで同じ歌を歌う、というところまで連れてきてくれた。
miwaが、最後に下北沢LOFTでこの曲を歌ったのは2013年3月30日、夢だった武道館ライブを成功させた次の日だった。それから6年余、時は残酷にさまざまなことを分かつ。
ただ同じことは、そこに強く何かを伝えたいという意思を持った人間が歌っているということだけ。
二曲めは、ヤマカワプロデュース、フジモト作曲・編曲で今回ライブのために作られた「ALIVE」。彼女自身が作詞を手掛けた。
生きることに「正しさ」を求めることって何なんだろうか? 息苦しい「正しさ」なんかじゃなくて、ただずっと大事な人が側にいてくれたことのあたたかみと感謝、それさえあれば生きていけるという彼女の痛切なメッセージは、最後に「私はもう歩ける 大丈夫 前に進む」と結び目をきっちりと締める。
彼女自身の結び目は、しっかりと解けないようになった。彼女の活動で、解けた結び目を整えてくれた若者はどれほどにのぼるんだろう? そしてこれからも。
【第2章】
10. おいで、ここに。
11. ひとつだけ
12. グライダー
13. タッチ&ラン
14. (E-2)
15. 叶える
16. スターマイン (encore)
17. 歓喜 (encore)
ライブも後半戦に入る。
熱狂の中、まず弾き語りで2曲。
ここにいる60人余、いろいろな感情が交差する中、今日の歌詞はどのように客席に刻まれたんだろう?
そして一期一会のステージは、終盤へ。珍しく観客に立ち上がることを求めて、コールアンドレスポンスやハンドクラップで盛り上げる二曲。後ろの席では、誰ともなく用意したペンライトや携帯の明かりが揺れている。
そして、野音ズのビートが刻まれるとともに、満席の客席が一体になっていく。
この風景を見たかった。
いや、これから何度でも見てやろう。
アンコールの声に待ちきれず、再び飛び出していくヤマカワタカヒロと野音ズ。
ライブで音楽を聞くのが好きな人間は「最高!」という。
ライブに行かない人間は「毎回、最高と言ってるな」と苦笑する。
それぞれがライブからの受け取った感想は今夜も様々だろう。もしかすると今夜限りというお客さんもいるかもしれない。
ただ言えることは、「最新が最高でありたい」と演者は強く思っているということ。
【野音に続いていく背中の貼り紙】
いつもの雨降りの後には、虹がかかる。
このステージから地続きの過去、流した涙も、いつもの帰り道も、ふと目にしたちいさなタンポポも、あれもこれも今につながる幸せと呼んでいい。
まだまだ、彼の背中を追いかけていこう。
なぜなら、野音のステージにつながる幸せの貼り紙は、いつものステージに立っている彼と野音ズの背中に貼ってあるのだから。
Report by おじゃる
Photo by はたぼー
ラストっていうのは「最後」って意味ですけど、「最新の」って意味もあります。
ラストソングスなんで、最新曲を2曲持ってきました。平成最後の、平成ラストの、新曲になると思いますけど、その1曲目をやろうかなと思ってます。
2018/12/15
ヤマカワタカヒロ the LIVE〜Sing and Live〜12月号 @下北沢LOFT
マンスリーワンマン2018 final
“言葉はいつも思いに足りない”
10代の頃「ずっと忘れまい」と心に留めていたフレーズも、いつしか歳を重ね、日常の"ありふれた"言葉にまみれているうちに、思い出すことも考えることもなくなってきていた。
12月15日。ヤマカワタカヒロの2018年最後のライブは、7月からのワンマンライブシリーズの締めともなった。
師走の激しい人混みにまみれながら、駅前から何人もにぶつかりながら、いつものライブハウスに着いたのは開演10分前。そのせいだろうか、いつも顔を見かける観客も、心なしか今日は到着が少し遅れ気味なようだ。そんな観客の事情を知ってか知らずか、開演は10分遅れ。
ゆっくりと、しっとりと、R.E.M.の ”At My Most Beautiful" が会場に流れる。イントロに寄り添う鈴の音が、年末まで頑張ってきた演者と観客に、この後とどけられるご褒美を運ぶソリの音にも聴こえるといったら、妄想が過ぎるだろうか。
オープニングナンバー「声」。会場の空気が少しずつ流れ出す。
「こんばんは、ヤマカワタカヒロです」の一言を挟んで、2曲「それでも僕らは」「ストーリー」続いたナンバーは、それぞれ去年・今年といろいろなところで演奏してきた定番曲だ。
バラードパート2曲は「Every」「ひとつだけ」。そういえば、今年は、思いもよらない場所・タイミングでこの曲を聞いたこともあったっけ?
5曲のオリジナル曲を終えて、このワンマンライブシリーズで、新基軸として打ち出してきた【Respect Songs】へ。今のヤマカワタカヒロの歌に大きく影響を与えているアーティストの楽曲をカバーしつつ、その曲にちなんだオリジナル楽曲をアンサーソングとして披露する、という挑戦だ。
今日は、同郷のバンドback number「クリスマスソング」に「君が好き」を添えて。どちらもタイトルがどのつくストレートなタイトルと、《君が好きだ》の歌詞がつなぐ前橋と下北沢の12月の風景に、ふと ”今年で何回目のクリスマスなんだろう” の思いがよぎる。
【Respect Songs】の最後、8アーティスト目は槇原敬之、曲は「僕が一番欲しかったもの」。”とにかく理屈抜きで好きな曲” ”こういう曲を作って届けたい” という思い。ヤマカワがいつも言う「ライブで笑顔を届けること」、素敵なものを見つけたら、それを必要な人に与えていくというのは、歌い続ける限り、ずっと続くんだろう。
8アーティスト全てへのリスペクトをこめて、このシリーズを締めくくるのは「アンサーソング」。意外にも、今年1度しか演奏されていないこの曲。"もう出てるさ" という答えは、どの言葉に表れているんだろう。
後半戦は、今年のライブ活動を振り返りながら。まずは「スターマイン」「水彩画」。いずれもライブ会場に足を運んだときに演奏されると嬉しい2曲だ。そして「マンデーナイト」「Michelle」。
ここまでの4曲は、決して演奏回数が多いわけではないけれど、ときに個人的な心象に寄り添い、ときに過去の風景を思い出し、というこういう曲群があるからこそ、ここまで今年の24回のステージが成立したんじゃないかと思う。
今年はじめにつくられて、1年を通じて数多く歌われた「タッチ&ラン」。そして最新曲「頼らない」。
楽曲の作成を通じ、また年間210曲を超えるパフォーマンスで、 ヤマカワは「2019年へ向けての大きな糧を得た、誰に対して何を歌うのか明確になった」と言った。
2019年も良い年になりますよう…で終わるわけはなく、アンコールは、今年もヤマカワの活動の背骨になった2曲「おいで、ここに」「叶える」。
今日も全17曲を喉を絞り出して歌い、深々とお辞儀する。
マンスリーワンマンの完走の向こう側、2019年にどんな風景が見えるのか。
たぶん、ヤマカワに答えは "まだ出ていない" 。
“言葉はいつも思いに足りない”
観客の僕らがステージから受け取る言葉は、ときに残酷に、ときに優しく、自分たちのなかの個人的な思いに手をつなぎにくる。満身創痍の全力エンタテインメントが繰り広げられるたび、僕らは激しくステージの上の演者に共感を抱く。
じゃあ、受け取った言葉をどうすればいい?
2019年も、ヤマカワのステージは続いていく。
【セットリスト】
ヤマカワタカヒロ the LIVE 12月号 マンスリーワンマン 2018 final
- 声
- それでも僕らは
- ストーリー
- Every
- ひとつだけ
- クリスマスソング(back number)
- 君が好き
- 僕が一番欲しかったもの(槇原敬之)
- アンサーソング
- スターマイン
- 水彩画
- マンデーナイト
- Michelle
- タッチ&ラン
- 頼らない(新曲)
- おいで、ここに。(encore)
- 叶える(encore)
Report by おじゃる
18/11/23
ヤマカワタカヒロ the LIVE〜Sing and Live〜11月号 @日吉Nap
11月23日、気持ちよく晴れた祝日。
日が落ち、ぐっと寒さが増し始めた頃、一人、また一人と、会場を埋め始めた。いつも見る顔ぶれだけでなく、久しぶりの顔、初めての顔。一様に、今夜のヤマカワタカヒロは何を見せてくれるのだろうと期待を込めた視線が、ステージに向かう。そっと静かに幕は開いた。ゆっくりのテンポで奏でられるギターの音と、優しい声。会場の全員が惹き込まれていく。そう。これが彼の凄さだと思う。スタートとともにすっとヤマカワタカヒロの世界に連れていかれてしまうのだ。
この日の1曲目は「Days」
過ぎ去った日々が忘れてしまっても 再び僕は僕を見つけるだろう
過ぎ去った日々に忘られないように 変わらず僕は声を届けるだろう
My Days
ー こんばんは、ヤマカワタカヒロです。よろしくお願いします! ー
挨拶とともに今度はリズミカルに。「いないいないもう」「メトロガール」と続く。歌うことが心から好きだ、ということが伝わる楽しそうな表情だ。観客も自然とリズムを取り出す。すっかり会場はひとつになっていた。
ー 改めまして、ヤマカワタカヒロです。今夜はどうぞよろしくお願いします! ー
深々と頭を下げ、来てくれたみんなへ感謝の気持ちを伝えてくれる。毎度ながら、この深い深いお辞儀。彼らしさを感じる。軽快なトークに笑いもこぼれ、会場はリラックスモードに。
「Doll」「月影にきみの横顔」夜の曲がつづく。夜の街に溶け込むような優しい声に、まるで星空が広がる夜空に包まれているような空間になった。
次は、マンスリーワンマンで恒例の【Respect Songs】
BUMP OF CHICKENの「ガラスのブルース」
生まれて来た事に意味があるのさ 一秒も無駄にしちゃいけない
ああ 僕はいつも 精いっぱい歌を唄う
ああ 僕はいつも 力強く生きているよ
この曲を初めて聴いた時、若かりし頃のヤマカワは何を感じたのだろうか。そして、歌い続けるヤマカワは、今、何を感じながらこの歌を唄うのか。
ー 大事なものを置き忘れたことがあるなら、人生1回きりだから好きなことをやった方がいい ー
ヤマカワが「歌を休んだ時にもう一度歌うキッカケになった曲」だと紹介されたアンサーソングは「ステイゴールド」だった。
Respect Songs 2曲目はGrapevineの「君を待つ間」 そして、アンサーソングは「ハゴロモ」
97年の頃にヤマカワに影響を受けたRespect Songと、当時のヤマカワが初めて書いた曲である。今日の選曲や会話の中で昔のヤマカワがよく語られた。立ち止まり、悩み、苦しみ、そして、また歩み出す。あの頃のヤマカワは、今を想像できただろうか。たくさんの観客たちを魅了しながらこんなにもイキイキと歌う自分や観客たちの幸せそうな笑顔を。
LIVEも後半に差し掛かっていた。後半はSNSでのライブ配信もスタートする。
「マンデーナイト」「壁を壊せ」そして「タッチ&ラン」 走り切ったような爽やかな笑顔で話し始める。
ー 今回のLIVEは12月の年内最後のワンマンと対になってます。いつも来ている人にとっては意外な選曲だったと思います。今日は僕らしさを見てもらいたいと思って ー
この半年間、毎月ワンマンLIVEをやると決めて、ここまで走り続けてきた。いよいよ次回が最終回。この半年で、ヤマカワが見てきたものは。感じたものは。得たものは。 その全てが次回12月15日に物語られるのだろうか。
いよいよLIVEも終盤。しんみりした曲がスタート…のところで、まさかの演奏ミス?! 茶目っ気たっぷりで持ち直す。肩肘を張らないリラックスした楽しいやりとりもヤマカワらしさだ。
「ひとつだけ」
苦しくて不安で、心が今にも破れそうな、そんな人のひび割れた心を、優しく潤すように染み渡ってくる。言葉だけではない。メロディだけではない。ヤマカワだからこそ伝えられるものがあるのだと思わされる選曲ばかりだ。
「おいで、ここに。」
ー Hug for All ー
会場を大きな感動が広がっていくことを肌で感じた。曲が終わり、一瞬、静寂が流れる。みんなが聴き入っていたことが伝わる「無」の時間だった。
ー みんな本当に今日はありがとうございました。最後の曲です。この一年、みんなと過ごすことができて幸せでした。普通に会えることって幸せだなぁって思う。健康でいることもすごい大事だし、傍にいること、傍にいなくてもつながっていること、すごい大事だなと思いました。今年は本当にありがとう、来年もよろしくお願いします、という気持ちを込めて、最後は歓びの曲で終わりたいと思います。今日は本当にありがとうございました!ー
「歓喜」
身体中に響き渡る僕の夢の産声
数え切れないほどの悲しみを越えて 歩いてきたこの道は 間違いじゃなかったのだろう
大きな拍手が会場に響く。拍手は自然と手拍子に変わる。止まないアンコール。
ヤマカワが再登場する。深々とお辞儀をした後、彼が応援する児童養護施設出身の若者たちについて話し始めた。
ー すごく苦しい想いをしながら、それでもがんばってる彼らをこれからも応援しようと思うし、彼らの声が多くの人に届いてほしいと思ってます ー
「声」「叶える」
ー 夢は叶うもの そのためには、勇気と仲間が必要 ー
アンコール2曲を終えると、やりきった最高の笑顔を見せてくれた。深々と丁寧にお辞儀をするヤマカワ。やまない拍手。満足そうな観客たちの笑顔。一人ひとりに挨拶をしてから楽屋へ戻っていく。
こうして振り返るとこの日のテーマは「声」だったように思えた。ヤマカワの声、ヤマカワが応援する人たちの声。その声には、熱く熱く強い想いがこもっている。
いつも、ヤマカワの歌を聴くと勇気をもらえる。それは、何よりもヤマカワ自身が自身の道を彼の足で苦しみながらも進んできているからこそだと、そう感じずにはいられない。
彼の声をもっと届けたい。楽しい時も、嬉しい時も、がんばる時も、苦しい時も、そっと優しく寄り添い包み込みながら励ましてくれるこの曲たちを、もっと多くの人の心に届けたい。
いよいよ次回は2018年の集大成。
また多くの人の心を掴み、幸せな時間をプレゼントしてくれることだろう。
そして2019年。
今度はどんなヤマカワを見せてくれるのだろうか。
これからもヤマカワから目が離せない。
Report by とりちゃん
Photo by ヤーテツ
【セットリスト】
- Days
- いないいないもう
- メトロガール
- Doll
- 月影にきみの横顔
- ガラスのブルース(BUMP OF CHICKEN)
- ステイゴールド
- 君を待つ間(Grapevine)
- ハゴロモ
- マンデーナイト
- 壁を壊せ
- タッチ&ラン
- ひとつだけ
- おいで、ここに。
- 歓喜
- 声(encore)
- 叶える(encore)
18/10/20
ヤマカワタカヒロ the LIVE〜Sing and Live〜10月号 @下北沢LOFT
いつものライブは前日から始まっていた。
世の中が華金で浮足立つ金曜の夜、ヤマカワは狭いスタジオで地に足をつけてリハーサルをしていた。時刻は22時半。彼を定義するのであれば、“よく働くシンガー”と言えよう。
一週間を必死に駆け抜け、心の火を灯した後の金曜の夜。
僕なら全てを投げ捨てて、乾いた喉にビールを流し込みたいところだが、ヤマカワは自身の乾いた喉を試すように、たった1人のスタジオに熱を込める。
「誰もが苦悩とか痛みとか 抱えている」
彼の唄は社会の第一線で働きながらも、上手く行かない私生活を抱える僕らの気持ちを唄う。そんな普遍性に僕らは惹かれるのだ。
時計の針を進めよう。
土曜日の下北沢。雨が滴るこの街の片隅でヤマカワのマンスリーワンマン10月号の幕は上がった。ヤマカワのファーストアルバムにも収録されている『君が好き』を皮切りに、小さなライヴハウスをポップな曲が包み込んで行く。『水彩画』『ハゴロモ』と続き、丁寧に、深く深くお辞儀するヤマカワ。いつもの姿だ。
この夜のヤマカワは、紺のシャツとジーパン姿。薄暗いステージ上では、その姿がブラックホールのように、客席の気持ちを吸い込んで行く。雨の中集まった僕らはヤマカワに吸い込まれていく。
この夜は、ヤマカワ曲だけでなく、カバー曲も披露された。『名もなき詩(Mr.Children)』と『JAM(the Yellow Monkey)』の二曲だ。
冒頭に定義した“よく働くシンガー”は、90年代から日本の音楽シーンを牽引してきたモンスターバンドの背中から多くの影響を受けた。
ヒトはいつの世も先駆者の背中を見据えて、自身の道を歩む。それが成功に繋がる保証がなくてもだ。
ヤマカワは、東京ドームといった巨大なハコを埋められるビックアーティストの背中を見て、この日は下北沢の小さなステージに立つ。そして、限られた時間の中で自身が歩んで来た生き様からアンサーを出す。『Every』『歓喜』はその象徴なのだろう。先駆者達も誰かの背中に影響されたように、ヤマカワの背中から気付きを得る次世代が出てくるのだろうか。出てくることを僕は願わずにはいられない。
この夜のヤマカワは、ステージの上から、本番を迎えることの怖さも語っていた。自分の積み上げて来たものが、確かなものとしてカタチに残るのか。それを暗闇の中、確かめ続けるのは、彼の宿命なのかもしれない。そして、そんなヤマカワに惹かれる我々も、その宿命の一部を成しているのだろう。
ところが、数えきれないプレッシャーや希望、願いが彼の双肩を支配しているのかと思いきや、ステージが温まるに連れて、それが嘘のようにのびのびと曲を披露していく。『おいで、ここに。』『追い風、向かい風』『タッチ&ラン』『Michelle』と持ち前の軽快な音色が会場を包み込む。ヤマカワの音色に身を委ねながら、僕はヤマカワが、自分の信じる道を歩もうとする力強さを感じた。そして、そんな自由で前向きなヤマカワに僕は応援されているのかもしれない。
僕のライブレポートも長くなってきたので、そろそろ幕を降ろそう。
ヤマカワの音楽を聞くたびに思う。アーティストとファンのあるべき距離感を。
ファンは音楽だけに惹かれて、自身の時間をかけて会場に足を運ぶのか。そんなことばかりではないのではないか。僕は、楽曲を数少ない共通項として、それを足がかりに、アーティストの目指している世界を一緒に見たいのだ。アーティストとファンが紡ぐ未来物語を一緒に作りたいのだ。
ヤマカワが1年前に約束した、まだ見ぬ地は僕は諦めていないし、僕らはそこを目指しながら、遠回りして行くのだろう。それが雨で濡れた下北沢の夜で感じたことだ。
ヤマカワと、その仲間達の旅路は続いて行く。
- 君が好き
- 水彩画
- ハゴロモ
- くだけた花ビン
- ひとつだけ
- 名もなき詩(Mr.Children)
- Every
- JAM(the Yellow Monkey)
- 歓喜
- 応援歌
- おいで、ここに。
- 追い風、向かい風
- タッチ&ラン
- Michelle
- 叶える
- 長い道(encore)
- ストーリー(encore)
18/09/22
ヤマカワタカヒロ the LIVE〜Sing and Live〜9月号 @日吉Nap
暑さがぶり返した夏の終わり、秋彼岸の始まる前夜の9月号は、ヤマカワタカヒロの活動が新たなフェーズへ進んでいくことを、確信させた。
昨年の10月「人生をかけて歌をやる」と宣言したヤマカワは、今年の7月のレコ発ワンマンから、月例でワンマンライブを行なっている。今回のワンマンシリーズではゲスト出演はなく、本気のone-manだ。気負いなく観客席からヤマカワの楽曲を半年も楽しめるのは、至福の時である。
R.E.M.の “At My Most Beautiful” が流れると「これからLIVEが始まる」という条件反射が起こり、昂揚感を覚える。
君のぬくもりが僕の中で新しい優しさを生むから
サビを頭に持ってきた “想” 。アカペラのアレンジが観客を惹きつける。
“ストーリー”、“Michelle” と続けて歌い終えると「皆さんの応援のおかげでここに立たせてもらっています。ありがとうございます」と感謝を伝える。
“雨音”、 “アシタバ” と続く。一つひとつの音色が、声が、丁寧に紡ぎ出される。
今月から「Respect Songs」という新コーナーが始まった。ヤマカワが影響を受けた楽曲、学生時代に路上で歌っていた楽曲等の中から、いま歌いたい曲をカバーする。そして、カバー曲に対するアンサーソングとして、ヤマカワの楽曲を返していく構成だ。
ブルースハープを取り出し、斉藤和義の “月影” を歌い上げる。よく路上で歌っていたというこの歌は、ヤマカワらしさが垣間見えた。“月影” に対するアンサーソングは “月影にきみの横顔” 。
「十数年前に書いた曲がいま、こうやってみんなに聴いてもらっているのがとても不思議な感じだし、この曲も成長したな、と思います」と述べる。
続くRespect Song は秦基博の “鱗” 。ヤマカワのアンサーソングは “Home” 。ヤマカワは “鱗” で初めて秦基博を知り、衝撃を受けたと言う。そして “Home” は、秦基博の “花咲きポプラ” からインスパイアを得て書き下ろされた楽曲だと話した。
今回のLIVEからのもう一つの初の試みとして、Facebook生配信が予定されていた。
予定では、後半パートが始まる20時から。その前に、会場に足を運んでくれた観客に向けて、今後の活動について考えていることを伝える。
「来年は、がんばっている人たちに、もっと会いに行って応援したい。そして、みんなでライブを創っていきたい」
そんな想いに至った経緯を話しながら、具体的なイメージは、今後正式に発表できるように模索中、とのこと。そして、来年の予定としては白紙であり、この形式でのマンスリーワンマンは、残るは10〜12月号の3回ということになる。
来月のワンマンライブも、見逃せない。LIVE会場へ足を運びヤマカワの発表をその場でみんなと共有したい。
予定の20時から15分ほど遅れて生配信が始まり、後半戦へ。
軽く楽しく “ティータイム” で助走をつけて “それでも僕らは”、“タッチ&ラン” とラストスパートをかけていくが、一瞬、静けさが訪れる。
“おいで、ここに。” を歌い、想いを語る。
「この曲は、児童養護施設の子たちを応援する曲です。彼らに会いたいなって思うし、人生をかけて子ども達を応援している仲間を見つけられたことは、とても幸せなことだと思う。そういう子たちのために、がんばっている人たちのために、歌いながら歩いていきたいなと思っています。そういう曲を、次に聞いてください。」
“叶える”
“叶える” と “おいで、ここに。” はヤマカワの音楽活動の根となり幹となっている。ヤマカワが歌を取り戻すきっかけとなり、歌い続ける理由となった曲たちだ。ヤマカワの想いに応えるかのように、観客も彼の声を聞き澄ましていた。
そして、ラストナンバーは、“ひとつだけ” 。
「一緒に歩いていきましょう。これからもよろしくお願いします!ありがとうございました!」
歌い終えたヤマカワは、客席に向かって、深く頭を下げた。
間髪入れず、アンコールの拍手で会場が賑わう。
「めっちゃ幸せな空間になった。楽しい」と笑う。
そして、もう一度、その創り上げた空間で、歌を通して観客たちを笑顔にしてくれる。
「みんなの笑顔に会えて、本当に嬉しい。会いに来てくれるってすごいこと。だから、僕も会いに行かなきゃって思う。いろんなことを考えていくし、みんなも何か機会があれば誘ってほしい。『やまちゃん、ここで歌って』と言われたら歌いに行きます。ぜひ誘ってください」と伝える。
アンコールは、“君が好き”、そして “水彩画” 。全17曲を歌い上げ、9月号を締めくくった。
2年前から走り続けているヤマカワの音楽活動は、半期ごとにコンセプトを変えて今までやってきた。
今夜のライブはいつもよりあっという間の2時間に感じた。
それは、不安を抱えながらも途中で投げ出さずに続けること、やると決めたことをやりきること、挑戦すること、そんなヤマカワのことを、応援したいと改めて思ったからだ。
来年の予定は未定だが、みんなでライブを創れるのなら、私も参画して、ヤマカワの夢の続きを、みんなと一緒に見てみたい。
We are Happy Reminders.
【セットリスト】
18/09/22 ヤマカワタカヒロ the LIVE〜Sing and Live〜9月号
- 想
- ストーリー
- Michelle
- 雨音
- アシタバ
- 月影(斉藤和義)
- 月影にきみの横顔
- 鱗(秦基博)
- Home
- ティータイム
- それでも僕らは
- タッチ&ラン
- おいで、ここに。
- 叶える
- ひとつだけ
- 君が好き(encore)
- 水彩画(encore)
※復習Movieは「月影&月影にきみの横顔」「鱗&Home」
Report by おちえ
18/08/25
ヤマカワタカヒロ マンスリーワンマンLIVE 8月号@下北沢LOFT
「こんばんは、ヤマカワタカヒロです」
そんな挨拶からはじまって、ちょっとホッとする。
レコ発記念で1stアルバムの11曲をMCなしぶっ続けで演奏した前月のライブ。やまちゃんも観客もその挑戦に少し緊張しながら聴き入ったけど、今日のライブはat homeな温かい感じだった。いつものやまちゃんライブだ。
「好きな曲を歌う」と言ってたなぁと思いながら、自然体のやまちゃんが楽しそうに歌う空間に身をゆだねる。
聞いたことのある曲も、ない曲も、歌詞の世界をイメージしたり、つながる記憶と戯れたり、ただただリズムの心地よさを感じたり、自分勝手にその時間を楽しませてもらう。
♪ジャカジャカジャカジャカ♪
次の歌の前奏ではなさそう。なんだろう? と思っていると、
「僕はタッチフットを応援するって決めたんです」
キターーーーーー!
この上ない、幸せ。ありがとう!
やっぱり私はこの曲が好き、「タッチ&ラン」!
色んな感情や情景がたくさん駆け巡り、身体の奥底から熱い気持ちがたぷたぷと漲ってくる。
誰にでも、不安で一歩を踏み出せなかったり、勇気をくじかれたり、そんな自分がまた嫌で自己嫌悪になってしまうことがあると思う。
そんな時に、やまちゃんの歌声は、勇気とパワーを与えてくれて、そっと前へ進めるよう背中を押してくれる。
なぜ、私はやまちゃんのライブに来るのか?
私にとってこの時間はただ楽しいだけじゃなく、パワーをもらえる時間だから。
曲に込められた応援する気持ちが伝わってくるからだけじゃない。
やまちゃん自身がチャレンジャーだから、がんばってるから、その歌う姿からパワーをもらえるのだ。
だから、私もがんばろうって思える。
今回のライブで初披露された「ティータイム」の一節、
ひとりぼっちのティータイムはちょっぴり切なくなるけれど
忙しい毎日忘れられる一番貴重な時間 一番贅沢な時間
のように、残暑の厳しさも平日のストレスも忘れる"贅沢な時間"を過ごせて、私は幸せでした。
やまちゃん、ありがとう。
Report by SOL
【セットリスト】
18/08/25 下北沢LOFTワンマン
- Wake me up
- 追い風、向かい風
- Home
- サクラ散ル頃
- 雨音
- リフレイン
- ティータイム
- ステイゴールド
- タッチ&ラン
- 壁を壊せ
- それでも僕らは
- 長い道
- スターマイン
- 君が好き
- 水彩画
- Every(encore)
- Michelle(encore)
- 叶える(encore)
18/07/21
ヤマカワタカヒロ the LIVE 7月特大号 Sing and Live @日吉Nap
1st Album「the Happy Reminder」レコ発ライブ
7/15の四谷天窓(昼公演)、APIA40(夜公演)ダブルヘッダーを経て、昨年10/14に日吉で約束したレコ発ワンマンに、ようやくたどり着いた。9ヶ月間、レコーディングとライブと「会いに行く」活動、これを会社員としてフルタイムで働きながら、核家族の3児の父親としての務めを果たしながら、がむしゃらに走ってきた。本当にいろんな人たちに助けていただき、迷惑をかけながら、なんとか約束を果たすことができた。
日比谷野音のステージに立つ。
そして、子どもたちに、ステージからの景色を見せてあげる。
一人100万円×100人=1億円の奨学金を、毎年支給できるようになる。
改めて、実現可能性を考えると空恐ろしくなることを、宣言してしまったものだと思う。この9ヶ月間、自分の宣言と、現実とのギャップの恐怖に、頭と心と体を馴染ませることに必死だったように思う。そういう意味で、アルバム制作で考える余裕を時間的に奪ってしまったことは、賢明な判断だったのかもしれない。
1st Album「the Happy Reminder」は、ヤマカワタカヒロの初期曲から最新曲まで、幅広く選曲して作品として構成した。当初、音源配信だけを考えたものの、CDプレスを行うと決めたこともあり、CDらしく、1曲目から最終11曲目までを通して聴いて楽しめる作品として、曲順、アレンジを意識した。
レコ発ライブということで、アルバムの通りの曲順で11曲連続での演奏をした。演出上、もっとうまくやれたと思うし、パフォーマンスとしても硬さを見せてしまったかもしれないけれど、僕の今の全力をつぶけた。
ヤマカワ・フジモトの「lyricfarm」時代に遡る初期曲「長い道」、そして、ヤマカワタカヒロが初めて書いた曲「ハゴロモ」も歌った。「タッチ&ラン」にも「アンサーソング」にも、ここで歌う意味があった。
アンコールは人を幸せにする。だから、アンコールは特別思いを込めて歌う。本編だってもちろんそうだけど、アンコールはそれ以上に。
気が付いたことに、4回目のワンマンにして、初めて「one-man」ライブを実現できた。これまでの3回は、すべて、ゲストアーティストを迎え、自分一人で埋められない要素を、埋めてもらってきた。ただ、今回は、というか、これからは、ヤマカワタカヒロとして一人で2時間のステージを満足していただけるようにならなければいけない。もともと明確に意識していたわけではなかったけれど、終わってみて、今回のライブには、そういう意味があったのだと思う。
もちろん、ゲストとのコラボや、カバー曲とかをやらないわけじゃない。ただ、ヤマカワタカヒロとして一人で自分の曲で、来てくれたお客さんに満足いただけるアーティストになる、ということから、逃げちゃいけないと思っている。まずは、そこからなんだと思う。
僕は、年末までに日吉Napと下北沢LOFTを埋めることができるようになるだろうか。そうなりたい、と願う先に、手が届くかどうかはわからない。だけど、手を伸ばし続けることしか、届く道はない。
8/4には久しぶりのthe Brand-new Amsterdamとしてのライブ、そして、9/8はAPIA40のブッキングライブが決定した。そして、8/25は下北沢LOFTでのワンマン。
完成したアルバムを持って、ギターを持って、社会的養護の現場でがんばっている人たちに会いにいきたい。応援したい。一歩ずつ、みんなで前に進んでいきたい。
「the Happy Reminder」は、応援してくれるみんな一人一人の力で完成した。みんなと出会うことがなければ、この作品は生まれなかった。本当に、ありがとう。
そして、この作品のサウンドプロデュース・編曲・レコーディング・MIXからマスタリングまですべてをやりきってくれた盟友フジモトヨウヘイに、心から感謝します。ありがとう。君がいなければ、今の僕はここにいない。
次の目標は、日吉Napと下北沢LOFTを埋めること。
どうか、引き続き、僕に力を貸してください。
ヤマカワタカヒロ
【セットリスト】
- 声
- ストーリー
- Michelle
- 水彩画
- 月影にきみの横顔
- Every
- アシタバ
- それでも僕らは
- 君が好き
- おいで、ここに。
- 叶える
- 長い道
- ハゴロモ
- タッチ&ラン
- アンサーソング
- スターマイン(encore)
- 歓喜(encore)
※復習Movieは「アンサーソング」と「スターマイン」
Movie by はたぼー
18/06/23
ヤマカワタカヒロ the LIVE APIA40 6月公演
下北沢LOFTでの6月号から1週間。雨の学芸大学で、APIA40での2回目のライブ。
新しい場所で、新しい人たちのお世話になって活動を広げていく。並行して進めているAlbum制作も佳境に入り、毎日がめまぐるしい。正直なところ、ここしばらく毎朝起きるたびに「声が出なかったらどうしよう」と不安だった。幸いなことに、6/23は歌をうたうほどには、喉がもってくれた。
ソロで歌い始めて、今のところ、ブッキングしたライブで穴を開けたことはない。お客さんが多い日も、少ない日も、ライブの価値は変わらないし、僕がやるべきことも変わらない。全力で歌うだけだ。シンプル。ただ、そのシンプルなことを続けることが、本当に難しいことを、毎回のライブで実感する。情熱は冷めないだろうか、体調は崩さないだろうか、声は出るだろうか。
久しぶりに「Days」を歌った。「Days」のサビの歌詞はこうだ。
過ぎ去った日々が 忘れてしまっても
再び僕は 僕を見つけるだろう
過ぎ去った日々に 忘れられないように
変わらず僕は 声を届けるだろう
いつか、止まってしまうかもしれないし、過ぎ去ってしまうかもしれない。たとえ、そうなったとしても、僕は再び、僕の情熱を見つけられると信じている。そして、そうなるまでは、変わらずに声を届けていく。
APIA40のフリーペーパー「あたふた」に、コラムを掲載いただいた。
次回APIA40は7/15。昼の四谷天窓とのダブルヘッダーの夜。そして翌週はいよいよ、レコ発ワンマン。
梅雨が明けたら、夏が始まる。
ヤマカワタカヒロ
【セットリスト】
- Days
- 君が好き
- 水彩画
- 返事はいらない
- 想
- 歓喜
18/06/16
ヤマカワタカヒロ the LIVE 6月号「Wake me up」@下北沢LOFT
6月号は、久しぶりに1か月以上あけてのライブとなりました。
この1か月はボーカルレコーディングに時間をかけていたこともあり、改めて、自分が書いてきた歌詞に深く向き合う時間を過ごしました。
胸を締め付けられるような痛ましい事件が立て続けに起きたこともあり、自分が歌を歌うことの意味、自分が世に出そうとしている楽曲たちの意味について、深く考えさせられる時間でもありました。
答えはとっくに出ている、あるいは、一生出ないのかもしれないけれど、意味など何もないのかもしれないけれど、僕は歌を歌わないわけにはいかないし、楽曲を生み出さないわけにはいかない。
今回のライブは、そういう非常にシンプルな気持ちで臨みました。
初披露した新曲「Wake me up」は、以前から曲としてはできていて、歌詞が書けていなかったものです。そして、「会いに行く 第5回」で訪問した「ACHAプロジェクト写真展&活動報告会」の行き帰りの埼京線の中で、歌詞が一気に書けたことを覚えています。この曲も、シンプルに、素直に、目覚ましをかけずに眠り、射し込む陽の光で目覚めた休日のことを書きました。
人生は、本当にいろいろなことが起こるからこそ、僕は、希望を歌いたい。
一歩ずつ、半歩ずつでも、光の射す方へ。
ヤマカワタカヒロ
【セットリスト】
- 雨音
- そばにいてよ
- 月影にきみの横顔
- Wake me up
- タッチ&ラン
- Michelle
- おいで、ここに。
18/05/12
ヤマカワタカヒロ the LIVE 5月号「そばにいてよ」@日吉Nap
今回のライブレポートは、僕、ヤマカワタカヒロが、今回のライブにあたって考えたことを書きます。
昨年の10月に、人生をかけて歌をやる、と宣言しました。
歌を通じて、僕が応援したい人たちを笑顔にしたい。
そのために、2018→2022のロードマップを描き、一つ一つ、活動を進めています。※詳しくは「project」参照
みんなとの約束の一つ、1st Album「the Happy Reminder」は、レコーディングの真っ最中です。
なんとか、7/21に間に合わせたいと思っています。
今回のライブでは、4月号で発表した5曲に加えて、そのアルバムに収録される残りの6曲を発表することにしていました。
そして、もう一つ、未発表曲の「そばにいてよ」を演奏することも決めていました。
アイディアとして、6~11曲目の曲順通りに、MCも入れずに連続でやりたい、と思いました。
そうなると「そばにいてよ」がライブの7曲のセットリストのうち、冒頭に置くか、最後に置くか、という選択肢になります。
未発表曲をセットリストの冒頭や最後の曲に持ってくることは、通常は選択肢としては考えにくい。アルバムの曲順の間に未発表曲を入れるか、冒頭はさすがにないので最後の曲に入れるか、セットリストを前日まで悩んだ末、6曲連続演奏→未発表曲でエンディング、という流れにしました。
未発表曲が「そばにいてよ」という、MCのテーマにつながる曲だったことも、大きかったと思います。
6曲連続演奏の後のMCでは、自分にとって大きなチャレンジを発表しました。
7/21のレコ発ワンマン以降の日吉と下北沢での月例ライブを、すべてワンマンライブにする、ということです。
ロードマップを実現するために、僕は、ワンマンアーティストにならなければいけない。
ワンマンアーティストというのは、ひとりで2時間超のライブをこなし続けるパフォーマンスレベル・体力・コンディショニング・メンタル、そして、ライブ自体を成り立たせるための集客力が備わったアーティストのことを言います。
僕は、2018年中に、日吉や下北沢で50人を集める、と目標を立てましたが、現状、その目標には届いていません。
お客様の数が目的ではありません。数は結果です。
まだ、僕は、その結果を出せるほどのレベルではない。でも、どうしても、その結果が出せるようになりたい。
そうなれなければ、四谷区民ホールも、鶴見公会堂も、日比谷野音も、そして、児童養護施設で暮らす子たちを応援するための奨学金の給付も、野音のステージ上から、人はこんなに応援をしてくれるんだ、という光景をしんどい状況にある子どもたちに見せることも、夢物語で終わってしまうからです。
段階を追って、自信がついてから、という選択肢も考えました。でも、それだと、僕の場合は一生チャンスは巡ってこないと思いました。きっと僕は言い訳をつくってしまう。そして、そんな僕の姿は、応援してくれているみんなには、ばれてしまう。
僕が会社員として関わっている通信教育サービスで、過去に使ったキャッチコピーで、大好きなものがあります。
がんばって、がんばって、
メチャクチャ勉強して、
やっと手が届く、
そういう大学のこと、
第一志望って
言うんじゃないのか?
そうやって僕は、会社員として、全国の高校生を応援してきました。
今、アーティストとしてステージに立つ僕は、この言葉を受ける側にいます。
この言葉に恥じないだけの努力を、僕はできているのか?
覚悟は、いいか?
そう問いかけた時に、今年中のワンマン50人達成は、絶対に実現しなければならないと、心に決めました。
だから、僕は、攻めます。
プレスした1000枚のCDを持って、7月から毎月のワンマンを始めます。
新しく、APIA40と四谷天窓でのライブにも出演していきます。
それでも、まだ全然足りない。
CDを一枚でも多く買っていただくということ、ライブにお客さんを50人集めるということ、そのためにやらなければいけないことは、まだまだたくさんあって、それは、僕自身の努力だけではどうにもならなくて、僕を応援してくださっている多くの方々の力が、必要です。
僕のライブに足を運んでくださること、
ライブの感想をSNS等で率直に伝えてくださること、
CDを買ってくださること、
このHPやYouTubeを紹介くださること、
イベント等、僕の歌を聴いていただける機会にお誘いくださること、
本当にいろんなことが、皆さんの力をお借りしないとできないことばかりです。
だからこそ、こうやってライブに足を運んでくださった方々に対して、
今自分が届けられる全力のパフォーマンスを、届けたい。
そんなことを思いながら、今回の5月号は、お届けしました。
がんばって、がんばって、手を伸ばす。
だから、もっと、ずっと、こんな僕のそばにいてください。
ヤマカワタカヒロ
【セットリスト】
- Every
- アシタバ
- それでも僕らは
- 君が好き
- おいで、ここに。
- 叶える
- そばにいてよ
Photo by ヤーテツ
2018/05/04
ヤマカワタカヒロ the LIVE @APIA40
冷たさを含んでいた風は心地よさを増し、夏が始まる立夏を前に5月4日、ヤマカワタカヒロは新しいスタートを切った。
今回のステージは目黒碑文谷にあるApia40、ヤマカワにとって初LIVEだ。
Apiaは2009年の40周年を機にこの場所へと移転した。地下へ降りたそこは壁面がマリンブルーで海の中にいるような世界観を持つ、非日常の空間だった。
緊張と期待の幕開けは『声』。優しさで包み込むようなイントロで始まり、そして力強く歌い上げる。「君の声」をヤマカワが代わりに届けているかのようだ。
次は問いかけるように『それでも僕らは』を歌う。「ふたり」という言葉に声が重なり、澄みきった空気にヤマカワの声が響く。一語一句聴き漏らさないように、皆がヤマカワへ眼差しを向けていた。
Apiaでの初LIVEの感謝の気持ちを述べ、今後の挨拶をしてから次の曲へ。
「時間をくれたみんなに少しでもお返しができるように、思いを込めて歌います」
「みんなのことが大好きです」
ヤマカワの音楽を聴きに来ている観客に視線を送りながら『君が好き』と皆へ伝えているヤマカワは楽しそうで、本当に「君が好き」なんだということが伝わってくる。
続く『スターマイン』では、一つひとつ、ヤマカワにとって大切な言葉を伝えようとしていた。渾身の力を揮って声を放った。
来週5/12、日吉NapでのLIVEで発表があると今後の展開を覗かせる。そして「ひとつだけ、お願いがある」というヤマカワの言葉。
ヤマカワ自身は自分の声、歌を届けたいと思って歌っている。LIVEに来て皆がどう感じたのか「ヤマカワの歌を聞いて思ったこと、率直な気持ちを書いてくれると嬉しい」「それを見て僕も、次のLIVEに活かしていきたいです」と想いを綴る。
Apiaのステージには段差がなく、客席に椅子はあるが同じ高さで歌うことになる。自分の表現を一方的に伝えるのではなく、元気や勇気、色んな気持ちを互いに分かち合いながら観客と一緒に創り上げるのがヤマカワのステージだ。そういう意味でも、隔たりのないステージはヤマカワと観客をより近いものにする。
「ワンマンに向けて準備中だが、それに向けて5/12,6/16,23と次のLIVEも頑張っていきたい」と意気込みを語り、ヤマカワのはじまりの曲、『ストーリー』でApiaでの物語がはじまったことを噛みしめながら、今夜のステージを閉じた。
Apiaは明日へ宝物を運ぶ船として航海途中である。そしてヤマカワはApiaという船に、今夜乗り込んだ。今夜の船出が夢へ向けた大きな勇気となり、Apiaでの活動が次の到達点へと繋がる素晴らしい拠点となるよう、想いを馳せる。
夏が始まろうとしていた。
【セットリスト】
- 声
- それでも僕らは
- 君が好き
- スターマイン
- ストーリー
Report by おちえ
Photo by ヤーテツ
2018/04/14
ヤマカワタカヒロ the LIVE 4月号「サクラ散ル頃」@下北沢LOFT
春に手が届きそうな日差しが続いたかと思うと、その歩みを少し落ち着かせたような夜だった。
未発表曲をセットリストに忍ばせたこの日のLIVEは、少し雰囲気の違うヤマカワを見せてくれた。
4曲目で披露された未発表曲のタイトルは「サクラ散ル頃」。イスに身を預け、会場に心を預けながらしっとりと、甘くギターに気持ちを重ねていく。会場にいるひとりひとりがヤマカワの綴る歌詞の向こう側の情景を追いかけていた。
ちょうど先週は満開を終えた桜が「また来年」と手を振るようにひとひらずつ散っていた頃だったが、今は新しい息吹と共に青葉に変わる桜の木。「サクラ散ル頃」と名付けられたこの曲は、盟友であるフジモトヨウヘイによる楽曲だが、どんな瞬間に、どんな風景の中で生まれたのだろうか。そんなことを思い浮かべながら、気付けば私もヤマカワの歌が描く情景を追いかけていた。
アップテンポで始まった1曲目は「ブランニューソング」、続く「タッチ&ラン」。ギターをかき鳴らす右手に込めたエネルギーが熱を帯び始めたかと思うと、「寝返り」、「サクラ散ル頃」、「返事はいらない」では、しっとりと、優しさも織り交ぜて、メロディーが心に触れていく。楽しくて、明るくて、寂しくて、ぎゅっと切なくて。そんな対照的なセットリストだ。
5曲目を終えたMCでは、大きく2つの報告をした。
ソロ名義として自身初となる1stアルバム「the Happy Reminder」の絶賛レコーディング中であること。全11曲のうちの5曲目までを発表し、会場からは歓声が上がる。
もう1つは、日吉Nap、下北沢LOFTに加えて活動拠点を増やすこと。あのAPIA40のステージが、すでに来月に控えている。
前回ステージでスポットライトを浴びていたヤマカワと比べ、内面の大きな変化に驚きながらも、彼を突き動かすエネルギーを会場にいる誰しもが感じ取っていたようにも見えた。
「残り2曲、明るくやまちゃんらしくいきたいと思うのでね、みなさんよろしくお願いしたいと思います!」
この日一番印象的だったのはこの言葉。自分が思う「ヤマカワらしさ」、みんなを通して見る「ヤマカワらしさ」。何のためにステージに立つのか、何のために歌うのか。限りなく続く自分への問い。
迷いのない力強さや、まっすぐに向かう気持ちの先にあるもの。それはもう確かに見えてきている。
桜散る、新しい息吹が芽生える季節。ヤマカワの心にはどんな息吹が命を宿しているのだろうか。ぐんぐんと前に進んでいくヤマカワ。桜のようにひとひらずつ舞う彼の想いを、優しく追いかけていきたい。
【セットリスト】
- ブランニューソング
- タッチ&ラン
- 寝返り
- サクラ散ル頃
- 返事はいらない
- 君のいないSunday
- お台場LOVE’97
※復習動画は「サクラ散ル頃」
Report by めいり
Photo by はたぼー
2018/03/10
ヤマカワタカヒロ the LIVE 3月号 「タッチ&ラン」@日吉Nap
先月のワンマンライブと「会いに行く」イベントから、約1か月ぶりのLIVEだ。
R.E.M.の「At My Most Beautiful」が流れると、今日の演奏に期待を寄せた仲間たちの拍手で迎えられながらヤマカワが登場する。
拳を胸にあてて心を整え、「おいで、ここに。」を歌う。打ちひしがれる思いでどうしようもない時、この歌を聴きたくなる。最近のLIVEとは少し違ったオープニングだった。透きとおるけれど、突きささるヤマカワの声に、耳を傾ける。
続いて「アシタバ」。澄んだ空気が緊張感を漂わせる。一つひとつのギターの音、ヤマカワの声が会場全体を包み込む。
「僕は、歌の力を信じてます。だからこの声が、想いが、みんなの心に届いてくれたらいいなと思って歌います」
という言葉に続いて演奏されたのは「応援歌」。
みんな、ヤマカワが応援している。
みんな、ヤマカワを応援している。
そんな、声が、想いが、みんなの心にきっと届いただろう。
今の自分の気持ちと、周りにいるみんなの気持ち。そして翌日3/11は東日本大震災が起きて7年が経つ時であり、このタイミングでのLIVEは、それぞれの心に添わせるものにしたいと語っていた。
「前を向いて生きていく僕たちは、笑顔で踊りながら毎日を楽しんで生きていく必要があるんじゃないか」と伝え、「Michelle」「いないいないもう」を続けて歌う。空間を、あたたかい雰囲気に一変させた。
今回の会場、日吉Napの当日のLIVEテーマが “New Song Fest” ということで、ヤマカワも前回のLIVEでの宣言通り新曲を披露する。
今夜のヤマカワのLIVEテーマは“タッチ&ラン”
スポーツに対する熱い想いと、身の回りに起こった感動を機に、書き上げたこの曲。
軽やかなテンポで演奏される「タッチ&ラン」は、つい口ずさみたくなるメロディーだ。そして伝えられぬほどの熱い想いを抱いている時に、聴きたくなるだろう。灯した想いが消えないようにと、心に刻まれた初披露の瞬間だった。
最後は“みんなに届けたい曲”「叶える」を演奏し、今夜のステージを閉じた。
ヤマカワのステージは休む間もなく、3/18(日) HAPPY DAY TOKYO 2018 へと繋がっていく。
I’ve found a way to make you smile.
今夜のLIVEも the Happy Reminder は、みんなが持っている笑顔を輝かせた。
【セットリスト】
- おいで、ここに。
- アシタバ
- 応援歌
- Michelle
- いないいないもう
- タッチ&ラン
- 叶える
※復習動画は「応援歌」
Report by おちえ
Photo by はたぼー
2018/02/10
ヤマカワタカヒロ the LIVE 2月特大号「Sing and Live」@下北沢LOFT
まだ冷たい風が頬を撫でていく下北沢で、私はヤマカワタカヒロの新しい歴史が刻まれる瞬間にいた。
通算3度目となるヤマカワタカヒロのワンマンライブ。彼のライブは回数を重ねるごとに観客を魅了し、この日会場はすでに満席。それでもぞくぞくと集まる観客に応えるように、丁寧に、そして優しく会場を包み込みながら、ライブがスタートした。
託された期待を大きく羽ばたかせるように始まった1曲目は、「グライダー」。「ステイゴールド」「水彩画」、自己紹介を挟み、「月影にきみの横顔」と奏でていく。甘酸っぱい「EVERY」を終え、彼の呼びかけでゲストギタリストのフジモトヨウヘイがステージに上がる。
フジモトはヤマカワが組んでいるバンド「the Brand-new Amsterdam」のギタリストであり、作詞・作曲・編曲を手掛けるサウンドプロデューサーでもある。「時間にルーズだけど、腕は確かなんでね」というヤマカワの紹介に、ステージ上のフジモトはおどけて笑った。
ヤマカワのアコースティックギターと、フジモトのエレキギター。
2本のギターで始まったのは「Miranda」。ヤマカワのボーカルにフジモトのコーラス。フジモトのボーカルにヤマカワのコーラス。ツインボーカルが溶け合うような感覚。
ガラッと変わる空気。「これは(僕たち)2人の曲ですね」という言葉とともに「くだけた花ビン」が続く。
“久しぶりに涙を流したわけは あなたを傷つけたことを知ったから”
この歌い出しに、2人が大学生の頃からどんな物語を紡いできたのかと想いを馳せる。
「想」を終え、早くも前半が終了。
落ち着いたMCで、アルバム制作について触れる。
昨年の10月にアルバム制作を発表し、7月のリリースに向けて、長いスパンで取り組んでいる真っ最中。制作を引っ張っているフジモトも、リリースを待ちわびる会場の期待をひしひしと感じたようだ。
これまで「the Brand-new Amsterdam」として、ミニアルバム・シングル合わせて6つの作品をリリースしているが、今回はヤマカワタカヒロとして初めての作品となる。さらに、フルアルバムだ。たくさんの想いや気持ちが強く込められているのが伝わってくる。
驚いたのは、ライブ中に「ここでアルバムのプレス数を観客と一緒に決める」ということ。飛び交う希望枚数の声の中「1000枚」という数字が確定した。
ヤマカワタカヒロを見ていて感じるのは、「みんなで一緒に」が、様々な場面で散りばめられていること。それは強制ではなく、やらなければいけないということでもなく、ここにいるひとりひとりの「やりたい」を一緒に叶えていくというスタンス。これがヤマカワタカヒロというアーティストが放つ魅力のひとつではないだろうか。
7月のリリースを再度約束し、もう一人のゲストが呼ばれる。ベーシストのおちえが登場。
心地よく響く低音が加わり、「メトロガール」「ダイエットブルース」「それでも僕らは」とアクセルを上げていく。立体的で奥行きを作り出すこの3つの音に合わせて観客もどんどんヒートアップする。フジモト、おちえの柔らかい笑顔を引き連れながら3人での最後の曲は「叶える」。
ヤマカワタカヒロとおちえが出会った児童養護施設の子どもたちを支援するボランティアがきっかけで生まれたこの曲は、彼の目標である日比谷野音への道にも繋がっている。
ヤマカワタカヒロは「野音で届けたいのは、音楽だけではない」と話す。ここに来ているひとりひとりが、色々なことを頑張っている。共通しているのは「誰かのためにがんばっている」ということ。それぞれが活動していることを融合すれば、また新しい何かが生まれるのではないか、と。彼の中ではすでにクリアなイメージが描かれているようだ。さらに目が離せない。
フジモト、おちえがステージから降り、再び1人となったヤマカワタカヒロ。
「おいで、ここに。」を披露。一度歌から離れた彼が、再び歌を取り戻したきっかけは、児童養護のボランティアだった。施設にいる子どもたちにも、そこに関わっている大人たちにも、そしてそんな生きづらいこの社会が少しでも変わっていくようにと願いを込めて、しっとりと歌い上げる。今後のLIVEの告知をし、「Michelle」「追い風、向かい風」を駆け抜け、全15曲が終了。
ペダルをぐっと踏み込んだスピード感に圧倒され、鳴りやまない拍手が次第にアンコールに変わる。
再びステージに上がるヤマカワタカヒロは、疲れよりも笑顔がこぼれていた。これを聞かないと終われないという会場の空気の中、「君が好き」で再び観客を引き込む。「この最高のアンコールを2人も聞かせてあげたいと思います」という合図に、再びフジモトとおちえがステージに帰ってくる。
今日1番の大きな拍手、会場の一体感、期待に自然と体が前のめりになり、応援が応援を増幅させていく感覚は、あの会場の中にいるからこそ味わえる特別な感覚。時折3人で目を合わせて奏でる「ストーリー」は、今までのヤマカワタカヒロをまたひとつ飛び越え、次の物語が始まる予感がした。
ここで、本当は終わりだったが、興奮冷めやらぬアンコールの声にWアンコールが実現した。「もう本当にこれが最後だからね」と嬉しさでいっぱいのヤマカワタカヒロを優しく包む会場の空気のなか、「スターマイン」が届けられた。
「アンコールは人を幸せにするんです」と言っていた彼は、今日のワンマンライブでまた新しい歴史を作り上げた。満員の客席からたくさんのHappyを受け取り、そして自身の想いを織り交ぜ、Happyを繋げていた。
どんどん進化を遂げるヤマカワタカヒロ。その原動力は、やはり「想い」ではないだろうか。人の心を動かすのも、また人の心。次はどんなHappyを繋げていくのか、彼と一緒に同じ景色を見ていきたいと、切に願う雨上がりの夜だった。
【セットリスト】
- グライダー
- ステイゴールド
- 水彩画
- 月影にきみの横顔
- EVERY
- Miranda
- くだけた花ビン
- 想
- メトロガール
- ダイエットブルース
- それでも僕らは
- 叶える
- おいで、ここに。
- Michelle
- 追い風、向かい風
- 君が好き(アンコール)
- ストーリー(アンコール)
- スターマイン(Wアンコール)
※復習動画は、ライブ後の振り返り会でMVS(Most Valuable Song)に選ばれた「ストーリー」
Report by めいり
Photo by はたぼー、ヤーテツ
2018/01/13
ヤマカワタカヒロ the LIVE 1月号@日吉Nap
ヤマカワタカヒロ 2018年1本目のLIVEはここ日吉Napから届けられた。
爽快に弾むギターの音と共に流れたのは、2017年で最も歌われた「君が好き」。昨年末のステージで最後に歌った「君が好き」と、今年1番最初に歌う「君が好き」。時間を越え、この曲がまるでバトンのようにヤマカワタカヒロを、そして仲間たちを2017年から2018年へと繋いでいく。
2曲目の「それでも僕らは」を終えて、2018年の抱負を語る。10月14日のワンマンLIVEで宣言した「あれ」を実行に移す年となった。
語られた抱負は、
①月例ライブ年間12本
②7月に1st Albumリリース
③10の新しい曲を生み出す
④野音会の結成、そしてここ日吉Napを観客で埋めること
彼の想いは着実に次のステージへと歩みを進めている。
掲げた抱負に向けて歌われたのは「叶える」。
「今、ここに立っているよ」のフレーズを口ずさむ彼は、ステージを仰ぎ一瞬目を閉じていたようにも見えた。
それは彼自身の過去やこれまでの道のり、そしていつだって背中を押してくれる仲間がいることへの感謝と愛を思い浮かべていたのかもしれない。
さらに2番の歌詞を「周りを見れば仲間がいる。支えてくれるみんながいる」に変えて届ける。
人は皆、心のどこかで誰かの役に立ちたいと願っている。周りの人を幸せにしたいと願うヤマカワタカヒロもまた、仲間からのあたたかな想いを受け取って、夢を叶えていく。
続くMCでは日常のニュース、中でも傷付きつらい思いを抱いている子ども達に思いを馳せる。
「色んな支援をみんなでやっていく必要があるけれど、それは一朝一夕に解決できるものではない。だから僕たちは一歩ずつ、一歩ずつやれることをやっていけたらなと思っています。」
このメッセージは、あなたの心に、みんなの心にどんな形で届いていくだろうか。
「おいで、ここに。」「スターマイン」「ストーリー」「いないいないもう」をコンディションの良い、のびのびとした声で歌い上げ、全7曲が終了。
少しずつ動き始めた2022年への道のり。
新調されたオリジナルピックで、今年は「誰」と「どんな夢」を音に変えて奏でていくのか。
言葉が持つチカラ、行動に変わる強い想い。
未来に向かってどこまででも行ける切符はもう渡されている。
ヤマカワタカヒロ 2018年の、幕が上がる。
【セットリスト】
- 君が好き
- それでも僕らは
- 叶える
- おいで、ここに。
- スターマイン
- ストーリー
- いないいないもう
※復習動画は「君が好き〜それでも僕らは」「おいで、ここに。」
Report by めいり
2017/12/16
ヤマカワタカヒロ the LIVE 2017年末シリーズfinal@下北沢LOFT
2017年の歌い納めは今年出演した20本のライブ、8本のイベントで歌った曲の中から、最も歌われた上位7曲を披露した。
ヤマカワタカヒロ愛用ピックを手に入れるためにベスト7を皆が真剣に考えていた。
早速ランキング発表とともに演奏が始まる。
第7位にランクインしたのは歌っている本人も観客も楽しくなる「いないいないもう」。
この順位にヤマカワ本人も意外な結果だといい、観客もいきなり予想が外れてしまったようだ。
次に彼の旅(夢?)の始まりの曲「ストーリー」のイントロが始まる。たくさん歌った曲。歌いたい好きな曲。歌っていて楽しい曲。心から溢れ出る笑顔が放つチカラ。前回の会いに行くヤマカワタカヒロと変わらぬ面はこの笑顔だ。
第5位となったのはヤマカワが過ごしてきた故郷を感じる「スターマイン」
心なしか、彼の笑顔に優しさが滲んでくる。きっと皆、自分の幼い頃と記憶に残っている花火大会と、ヤマカワの故郷を重ね合わせているのだろう。
「ずっとずっと、想いを言葉にして届けてますけど、僕の言葉は届いてますか?」と語りかけ、「おいで、ここに。」を歌い上げる。
児童養護施設等を退所する若者を応援している彼の心に、彼らの気持ちに想いを馳せる。
左手を胸に当てて歌う、彼の言葉が響く。
MCでは来年の予定や抱負を掲げる。
2018年は中期計画スタートの年であり、始まりの年。そのあともまた色々とやりたいなど、抱負をみんなに伝える。これからもヤマカワの活動に目が離せない。
「野音でみんなと『叶える』を歌いたい」そんな彼の夢の第一歩がこの日、叶ったのではないだろうか。ライブで初めて観客と一緒に「叶える」を歌ったのだ。
「みんなで歌おう」ヤマカワの声かけに、観客は大きな歌声を響かせた。
ベスト7ランキングは残り2曲となる。
自分に言い聞かせ、聴いている観客に語りかけ、第2位「それでも僕らは」を歌った。
今年を飛躍の年と振り返るヤマカワ。
21本のライブと8本のイベントをこなし、頑張ればできることを自ら体現してみせた。
来年は今まで頑張ってきたことを着実に実現できる年。それはきっとみんなが叶えてくれるはず。一緒に歩いていていってほしい、と想いを伝える。
そして2017年最も歌った曲は「君が好き」。
彼がこの曲を初めて披露したのは年明けのボランティアイベント。自身もこの曲が好きと言い、1年で最も歌った曲となった。いつも照れながら「がんばってる君が好き」と言い、曲が始まるが、不思議なことに、想いを歌にするとシンプルに率直に、君のことが好きと伝えることができる。ヤマカワのがんばってる人を応援したい気持ちが伝わってくる。
ベスト7を発表し終えると控えめにアンコールの声。次第に歓声は大きくなり、アンコールが実現した。
アンコールでは、通算回数でランク外となってしまった「水彩画」を披露。ヤマカワが曲を作り始めた初期に生まれたこの曲はファンが多く、時を超えても人は誰かを想う歌に惹かれていく。
笑顔になるためにヤマカワタカヒロに会いにいく人がいて、会いにきてくれた人に歌を歌い、彼自身も笑顔になる。彼の周りには笑顔が絶えない。
歌うHappy Reminderの歩みはこれからも続く。
来年も、ヤマカワタカヒロと一緒に歩んでいきたい。
【セットリスト】 ※( )は年間演奏回数
- いないいないもう(8)
- ストーリー(9)
- スターマイン(9)
- おいで、ここに。(11)
- 叶える(15)
- それでも僕らは(16)
- 君が好き(18)
- 水彩画(8)encore
※復習動画は「叶える」
Report by おちえ
Photo by ヤーテツ
2017/12/02
ヤマカワタカヒロ 2017年末LIVEシリーズ vol.3 @日吉Nap
2017年のライブも残すところあと2回。この日は日吉Napの16周年記念のライブで、オープニングアクトを含め、全7組の豪華ラインナップとなった。
6番目に登場したヤマカワタカヒロ。「ダイエットブルース」から「Home」、そして、「追憶、あるいは封じ込まれてしまった心について」「Doll」と、最近のライブではあまり演奏されていない曲で前半を折り返す。
後半に入り、初期の未発表曲「君のいないSunday」を初めてライブで演奏し、MCへ。
Nap16周年にあたり、「続けること」の難しさと大切さを語ったヤマカワタカヒロは、盟友フジモトヨウヘイの「想」を想いを込めて歌い上げる。ラストナンバー「お台場LOVE'97」もフジ曲だ。
長く続けることでしか、得られないものがある。
そんなことを思いながら、師走の冷たい風を心地よく感じる夜だった。
【セットリスト】
- ダイエットブルース
- Home
- 追憶、あるいは封じ込まれてしまった心について
- Doll
- 君のいないSunday
- 想
- お台場LOVE'97
※復習動画は「想」
2017/11/23
ヤマカワタカヒロ VS かよねえバンド「戦う勤労感謝の日」 @神田ISOLDE
2017年の勤労感謝の日は、東京では朝から強めの雨が降り続いていた。
この日のライブはいつもと違って昼公演。リハーサルを終えて、開場の12時を過ぎて、ようやく雨が上がってきた。かよねえバンドとのツーマンライブということで、弾き語りでバンドに立ち向かうヤマカワタカヒロ。
「声」の伸びやかなボーカルからライブは立ち上がり、「それでも僕らは」「君が好き」「Every」と人気曲をたたみかける。雨上がりの昼下がりに、久しぶりの「雨音」を歌い上げた後、通常ライブではやらないカバー曲として、中島みゆきの「糸」を演奏した。
後半戦は「寝返り」から看板曲「スターマイン」とつなぎ、最後は児童養護支援につながる2曲「おいで、ここに。」「叶える」で1時間・10曲のステージを終えた。
1番手の出演にもかかわらず会場から熱いアンコールを受け、「ストーリー」で観客の想いに応えた。
ボサノババンドの「落花生」の2曲の演奏をはさみ、後攻のかよねえバンド「S.O.B.A」の名曲揃いの演奏に、会場は、昼からビール片手に良質の音楽を楽しむ大人たちの笑顔であふれていた。
次回は12/2(土)日吉Napにて、年末シリーズvol.3。
2017年のライブも、残すところあと2回。
【セットリスト】
- 声
- それでも僕らは
- 君が好き
- Every
- 雨音
- 糸 (cover 中島みゆき)
- 寝返り
- スターマイン
- おいで、ここに。
- 叶える
- ストーリー(encore)
2017/11/18
ヤマカワタカヒロ 2017年末LIVEシリーズ vol.2 @下北沢LOFT
年末LIVEシリーズの2戦目。冬の訪れを感じさせる寒い日だった。
「返事はいらない」で幕を開けたLIVEは、久しぶりの「メロディ」から「それでも僕らは」にかけて熱を帯びてゆく。会場の手拍子に応えるように「Michelle」「グライダー」と上げめの曲を続ける。
後半は盟友フジモトヨウヘイ楽曲の「プレゼント」「夜空の小さな物語」で締めくくった。
今回のLIVEでは新たにボーカルエフェクターが使用され、コーラスを加えた歌声による表現の広がりを感じることができた。
休む間もなく次回は翌週11/23祝の神田でのツーマンライブを迎える。
かよねえバンドとの共演はどんな化学反応を見せるのか、楽しみだ。
【セットリスト】
1. 返事はいらない
2. メロディ
3. それでも僕らは
4. Michelle
5. グライダー
6. プレゼント
7. 夜空の小さな物語
2017/11/03
ヤマカワタカヒロ 2017年末LIVEシリーズ vol.1 @日吉Nap
2ndワンマンから半月。年末LIVEシリーズの初戦。11月にしては陽気のいい一日も、夕暮れには少し肌寒い風が吹き始めた。
全5組出演の最後に登場したヤマカワタカヒロ。<夕暮れに〜>の歌い出しで始まる「アシタバ」を歌い上げる。続いて「いないいないもう」「君が好き」を演奏した後、久しぶりの「グライダー」を披露し、MCへ。
10/29の八王子イベントから始まった「会いに行く活動」や、これまでのライブを通じて「ひとりで歌っていても、ひとりじゃないと感じるようになった」と語った後、こちらも久しぶりの「想」を披露。
僕らはひとりなんかじゃないよ おたがいを映し合う鏡 〜「想」
サビの歌詞は、まさに、演者と客席とおたがいを移し合うその瞬間を切り取ったようだった。
温かい空気の中「おいで、ここに。」の歌声が会場に沁み渡る。そして、ラストソングは代表曲として定着した「それでも僕らは」。
僕らはひとりでも 傷痕を隠してても 寄り添い伝わる熱を愛おしく思うから僕らは歩けるよ ぶつかり合って笑うよ 時に傷が疼いても それでも明日を描くよ 〜「それでも僕らは」
歌詞がシンクロする。受け止める「想」、歩き出す「それでも僕らは」。ひとりでも、ひとりじゃない。そんなメッセージで紡がれたようなLIVEだった。
【セットリスト】
- アシタバ
- いないいないもう
- 君が好き
- グライダー
- 想
- おいで、ここに。
- それでも僕らは
photo by はたぼー
2017/10/14
ヤマカワタカヒロ 炎の七番勝負 〜最終戦〜「Sing and Live」(+やまちえナイトvol.2)@日吉Nap
ついに迎えた七番勝負finalは、2ndワンマンLIVE「Sing and Live」として日吉Napで開催された。
ライブは「声」からスタート。いつになく緊張の面持ちのヤマカワタカヒロだが、それは中盤に待ち受ける重大発表のプレッシャーを感じていたからかもしれない。
「せっかくのワンマンだから、盛り上がっていこう」の声かけとともにドラム音がスタート。客席の手拍子を求める。日々の仕事の憂いを軽く笑い飛ばす「マンデーナイト」、続いて跳ねるリズムの「Michelle」で会場の空気が温まると、「月影にきみの横顔」「Every」としっとりしたラブソングを熱唱。「アシタバ」「Days」の新曲シリーズで前半を締めると、ここから前週第6戦の約束どおり、ベーシスト・おちえをゲストに迎え、「やまちえナイトvol.2」が開幕した。
やまちえナイトが始まると、前週同様、客席の視線はおちえに集中。悔しがるヤマカワタカヒロの気持ちはそっちのけに、会場からおちえへの声援が続く中「それでも僕らは」へ。普段のやさしいおちえの様子からはイメージつかないエモーショナルなベースラインで観客を魅了する。そして、続く「叶える」の演奏の後、会場のスクリーンをおろし、「ヤマカワタカヒロ 2018→2022」と書かれたプレゼンテーションスライドが投影された。
ギターをおろし、椅子に座ったヤマカワタカヒロがゆっくりと語り始める。
それは、2018年から2022年に向けた、アーティスト・ヤマカワタカヒロのビジョンと活動計画だった。
ステージの上から見る笑顔が、大きな勇気と希望をくれる。その経験を、苦しい状況にありながらもがんばっている若者たちに提供したい。そして、会場に集まる「応援する大人たち」の力を結集して、奨学金を届けたい。そのために、この会場に来てくれたみんなと一緒に、一歩ずつ日比谷野音に向かって歩いて行こう。突然の発表に、客席からは驚きと、共感と、応援の声が飛んだ。(詳しい活動計画は下記動画参照)
2020年に四谷区民ホール・鶴見公会堂、奨学金100万円×10人支給、そして2022年に日比谷野音、奨学金100万円×100人支給、という大きな目標と決意を宣言したヤマカワタカヒロ。
「やまちえナイトvol.2」の最終曲、そして、2ndワンマン後半パートの始まりは、高らかに宣言した大きな目標に向かってのスタートの曲として「ストーリー」が演奏された。
後半は「いないいないもう」「君が好き」「水彩画」とキラーチューンを連発。そして、本編最後は「おいで、ここに。」「アンサーソング」の2曲で熱くメッセージを届けた。
鳴り止まない拍手とアンコールを受けて、「どうしようかな」とおどけるヤマカワタカヒロだったが、アンコールがどれだけ幸せなことか、観客に心からの感謝を、代表曲「スターマイン」と「歓喜」で伝え、最高に幸せな2ndワンマンライブ「Sing and Live」は幕を閉じた。
この日発表された大きな目標に向かって、ヤマカワタカヒロと「やまちゃんと一緒に野音に行く会」のみんなで、2022年まで同じ夢を見て歩いていく。そして、約束を果たした後に、またこの日吉Napでみんなで集まることを、僕は、心から楽しみにしている。
【10/14 セットリスト】
ヤマカワタカヒロ the LIVE 「Sing and Live」
- 声
- マンデーナイト
- Michelle
- 月影にきみの横顔
- Every
- アシタバ
- Days
- それでも僕らは
- 叶える
- ストーリー
- いないいないもう
- 君が好き
- 水彩画
- おいで、ここに。
- アンサーソング
- スターマイン(en1)
- 歓喜(en2)
photo by はたぼー
2017/10/07
ヤマカワタカヒロ 炎の七番勝負 〜第6戦〜「やまちえナイトvol.1」 @下北沢LOFT
七番勝負第6戦は「やまちえナイトvol.1」と冠して開催された。
これまで2回、サポートベースとして参加してくれている、ヤマカワタカヒロのボランティア仲間でもある「おちえ」がセットリストを組み、ベースとしてもステージに立った。
the Brand-new Amsterdam の1st「Stairway」の最終曲として収録されている「(E-2)」からライブがスタート。前半4曲はヤマカワタカヒロのソロ、後半3曲が「やまちえ」ユニットによる演奏、という2部構成。
2曲目はこれもまたthe Brand-new Amsterdam 5作目『追い風、向かい風』のカップリング曲「ひとつだけ」。さらに3曲目はthe Brand-new Amsterdam の前身として、ヤマカワタカヒロがフジモトヨウヘイとアコースティックデュオを組んでいた時の楽曲「くだけた花ビン」と、おちえ好みのバラード選曲が続く。
ソロパート最後に「水彩画」で会場の雰囲気を明転させ、いよいよ主役「おちえ」がステージに登場。
ふたりのユニット、リズムマシン・ベース・アコースティックギターという構成で「ストーリー」「それでも僕らは」を披露した。
おちえの「やまちえナイトはいかがでしたか?」の投げかけに、満員の客席からは「楽しかった!」の声が続出。vol.2はいつやるのか、の話題となり、「じゃあ来週は?」というヤマカワタカヒロの思いつきに対し、おちえもその場で承諾。急遽、七番勝負最終戦、ヤマカワタカヒロ2ndワンマンライブの中で「やまちえナイトvol.2」コーナーが実現することとなった。
最終曲「叶える」を、カナエールで出会ったふたりのユニットで演奏し、無事に「やまちえナイトvol.1」の幕は下りた。
が、鳴り止まない拍手はそのままアンコールに。
温かい会場の歓声に「みんな大好きだ!」と、アンコールに「君が好き」で応えた。
そしていよいよ次は七番勝負最終戦。10/14日吉Napでのワンマンライブ。
「ヤマカワタカヒロの今とこれから」が示される。
重大発表、の予感。
【10/7 セットリスト】
- (E-2)
- ひとつだけ
- くだけた花ビン
- 水彩画
- ストーリー(やまちえ)
- それでも僕らは(やまちえ)
- 叶える(やまちえ)
- 君が好き ※ encore
photo by はたぼー
2017/09/24
ヤマカワタカヒロ 炎の七番勝負 〜第5戦〜 @日吉Nap
七番勝負第5戦。the Brand-new Amsterdam の楽曲「返事はいらない」で幕を開けた。「君が好き」「水彩画」とラブソングで固めた前半パートの後、この日のライブテーマ「MCの輪」のテーマに即して、共演者のReirenさんからのお題「これまでの音楽経歴とこれから」に対して、率直に語る中で、誰かを応援すること、応援してもらえることのありがたさ、自分にできる一番大切なことに集中すること、などを客席と分かち合った。「応援」というテーマでつないだ次の出演者うたうやまねこさんのMCでは、震災復興支援の話、支援を受ける人が支援者に多くのものを与えているという話、お客さんは数じゃないんだという話、など、ヤマカワタカヒロにとっても非常に多くの気づきを得る機会となった。
「おいで、ここに。」から始まる後半パートは、メッセージ性の強い楽曲でたたみかけた。初披露となった新曲「DAYS」は、10年以上完成しなかった楽曲。歌をやめて、もう一度取り戻して、ようやく形になったもの。
このライブで発表された新たな予定だが、10/14の2ndワンマンに加え、10/7の第6戦コンセプトライブ「やまちえナイト」、11/23のvsかよねえツーマンライブ、さらには複数のイベント出演と、盛りだくさんの内容。年末に向けて、気合は十分だ。
《2017年末ライブシリーズ》
- 11/3 日吉Nap
- 11/18 下北沢LOFT
- 11/23 神田ISOLDE vs かよねえ ツーマンライブ
- 12/2 日吉Nap
- 12/16 下北沢LOFT
【9/24 セットリスト】
- 返事はいらない
- 君が好き
- 水彩画
- おいで、ここに。
- DAYS(新曲)
- それでも僕らは
- アンサーソング
photo by はたぼー
2017/09/09
ヤマカワタカヒロ 炎の七番勝負 〜第4戦〜 @下北沢LOFT
七番勝負折り返しの第4戦は、久しぶりの「寝返り」からスタート。観客の手拍子とともに「それでも僕らは」で温度が高まった後、バラードパート「叶える」「Every」「アシタバ」へ。アップテンポで攻めた第3戦との振れ幅を見せつつ、後半は楽しさの「Michelle」そしてエモーショナルソング「歓喜」で締めた。
なお、このライブでは10/14ワンマン以降の年末のライブ日程も発表された。
《2017年末ライブシリーズ》
11/3 日吉Nap
11/18 下北沢LOFT
12/2 日吉Nap
12/16 下北沢LOFT
【9/9 セットリスト】
- 寝返り
- それでも僕らは
- 叶える
- Every
- アシタバ
- Michelle
- 歓喜
photo by はたぼー
2017/08/27
ヤマカワタカヒロ 炎の七番勝負 〜第3戦〜 @日吉Nap
第2戦に引き続き、七番勝負の第3戦は、ヤマカワタカヒロとしてソロ活動を開始してから1周年を記念するLIVEとなった。2016年8月21日にソロアーティストとして日吉Napのステージに上がってから1年と1週間。あっという間に過ぎた1年を振り返り、ステージに上がった。
ライブ全体のコンセプトが「真夏の太陽」ということで、来場者にはアイスキャンデーが配られた。
夏の始まりを告げる「追い風、向かい風」で幕を開けたライブは、「ステイゴールド」「いないいないもう」とアップテンポなナンバーで勢いをつける。「あと3時間で恐ろしい月曜日がくるぞ!」のMCで「マンデーナイト」が続く。
七番勝負の初戦でレコ発となった「君が好き」から後半戦がスタート。夏の夜空に彩りを描く「スターマイン」、そして、夏の終わりを歌い上げる「潮風」で真夏の太陽は海に沈んでいった。
【セットリスト】
- 追い風、向かい風
- ステイゴールド
- いないいないもう
- マンデーナイト
- 君が好き
- スターマイン
- 潮風
2017/08/19
ヤマカワタカヒロ 炎の七番勝負 〜第2戦〜 @下北沢LOFT
七番勝負の第2戦は、ヤマカワタカヒロとしてソロ活動を開始してから1周年を記念するLIVEとなった。
「水彩画」「君が好き」とテンション上げめのラブソングから、未発表曲「Every」へ、さらにラブソングを畳み掛ける。続いて「おいで、ここに。」で会場が静寂に包まれた中、「それでも僕らは」のイントロギターが空間を切り裂く。いつになく感情が高ぶる歌唱に、会場の温度も上昇していった。
ソロとしての初LIVEの1曲めで歌った「ストーリー」で、改めて、歌うことへの想いを確認し、最後は「叶える」で夢を追うことを力強く宣言した。
1年前の初ライブにも来てくれた観客から「やまちゃん、成長したね」と言われて、単純に嬉しかった。
まだまだこれから。The Happy Reminder の旅路は始まったばかり。
photo by ヤーテツ
【セットリスト】
- 水彩画
- 君が好き
- Every
- おいで、ここに。
- それでも僕らは
- ストーリー
- 叶える
2017/07/29
ヤマカワタカヒロ 炎の七番勝負 〜初戦〜 @日吉Nap FISH RECORDS「原石Ⅵ〜Move on〜」配信記念LIVE
10/14の2ndワンマンにつながる2017年夏秋のライブ7連戦初戦。いつもの入場曲、R.E.M.の「At my most beautiful」に乗せてステージに上がり、気持ちを乗せて「それでも僕らは」のイントロギターをかき鳴らす。続く「月影にきみの横顔」をソロライブ2回目の2016年9月以来に披露し、バラード「応援歌」につなげる。ソロとしては初披露となる「マンデーナイト」では、観客の手拍子とともに来るべき月曜日へのサラリーマンの憂鬱を笑い飛ばしながら歌い上げた。
今回のライブがFISH RECORDS「原石Ⅵ〜Move on〜」配信記念LIVEということで、満を持して参加楽曲の「君が好き」を演奏。持ち時間にまだ余裕があることがわかり、急遽セットリストになかった「ブランニューソング」をはさみ、最後は看板曲「スターマイン」で締めくくった。
奇しくも隅田川花火大会の当日のライブ。雨空に打ち上がった隅田川の花火と、幼い頃に見上げた前橋花火大会のスターマインを思い描きながら、七番勝負の初戦は、幕を閉じた。
photo by はたぼー
【セットリスト】
- それでも僕らは
- 月影にきみの横顔
- 応援歌
- マンデーナイト
- 君が好き
- ブランニューソング
- スターマイン
2017/06/24
ヤマカワタカヒロ Booking LIVE tour 2017 final 〜Doll〜 @下北沢LOFT
【セットリスト】
- Doll
- ラストノート
- 潮風
- ストーリー
- michelle
- いないいないもう
- 君が好き
- スターマイン
2017/06/17
ヤマカワタカヒロ Booking LIVE tour 2017 Day5 〜追い風、向かい風〜 @日吉Nap
【セットリスト】
- 追い風、向かい風
- Miranda
- ひとつだけ
- 東京タワー
- それでも僕らは
- 君が好き
- 水彩画
2017/05/20
ヤマカワタカヒロ Booking LIVE tour 2017 Day4 〜アンサーソング〜 @日吉Nap
【セットリスト】
- アンサーソング
- Home
- 寝返り
- アシタバ
- おいで、ここに。
- 君が好き
- 夜空の小さな物語
2017/05/13
ヤマカワタカヒロ Booking LIVE tour 2017 Day3 〜メトロガール〜 @下北沢LOFT
【セットリスト】
- メトロガール
- ダイエットブルース
- 流星トレイン
- 雨音
- くだけた花ビン
- 応援歌
- お台場LOVE'97
2017/04/29
ヤマカワタカヒロ Booking LIVE tour 2017 Day2 〜ソングライダー〜 @日吉Nap
【セットリスト】
- グライダー
- メロディ
- 追憶、あるいは封じ込まれてしまった心について
- いないいないもう
- 歓喜
- 君が好き
- 叶える
2017/04/15
ヤマカワタカヒロ Booking LIVE tour 2017 Day1 〜Stairway〜 @下北沢LOFT
【セットリスト】
- スターマイン
- ステイゴールド
- 返事はいらない
- ブランニューソング
- (E-2)
- 君が好き
- それでも僕らは(short ver.)
- 叶える